My teacher My teacher 17 牧野の部屋のベルを鳴らすと、数秒後に「はい?」と、ドアの向こうから声がした。 「俺だ。」 「道明寺先生っ?!」 ガチャっと鍵が開く音がして、牧野が驚いた顔でドアを開けた。 「どうしたんですか?」 「おまえに、... 2021.08.29 My teacher
My teacher My teacher 16 花火が終わり人々が一斉に帰路につき始めた頃、俺は神社から河川敷までの道をゆっくりと巡回に回る。 教頭から渡された「パトロール中」と書かれたワッペンを腕に巻き歩いていると、白百合学園の生徒はもちろん高校生くらいの年代の奴にはなかなか効... 2021.08.26 My teacher
My teacher My teacher 15 花火大会当日。 この日は高校生にとって年に一度の大イベントだ。いつもは膝下5センチの制服を着ている白百合学園の生徒たちも、今日は短いスカートを履いて薄化粧をし、花火が上がる何時間も前から祭りにくり出す。 街のメインストリートは... 2021.08.23 My teacher
My teacher My teacher 14 牧野を送って邸に戻ると、案の定俺の部屋で姉ちゃんが待っていた。 「あら、早かったわね。」 「……。」無言で返すと、 「そのまま朝まで帰ってこないかと思ったわ。」と、攻撃される。 30歳過ぎてもまだ弟をからかうことに... 2021.08.20 My teacher
My teacher My teacher 13 道明寺先生に抱き抱えられるようにして長い廊下を進むと、1番奥の一際豪華な扉の前で立ち止まった。 そして、一気に扉を開けると、そこは雑誌やテレビで見たことがあるホテルのスイートルームを思わせるような部屋だった。 中央にあるソファ... 2021.08.16 My teacher
My teacher My teacher 12 突然、身体が宙に浮き横抱きにされた。いつもの見慣れた視界よりも高くなった所から周囲を見ると、驚きとニヤニヤ顔であたしを見るバレー部員たちと目が合う。 「道明寺先生っ、下ろしてください!」恥ずかしさで、あたしの小さな抗議も、 「... 2021.08.14 My teacher
My teacher My teacher 11 次の日、俺は◯◯アリーナに来ていた。星稜高校のあいつらのバレーの大会がある。 大きな体育館にバレーのコートが4つ作られ、トーナメント方式で行われている。あいつらは、今日の第3試合で地元の強豪三和高校と対決する。 少し離れた体育... 2021.08.09 My teacher
My teacher My teacher 10 電話を終えて店の中に戻ると、なんだかさっきまでの牧野の雰囲気と違う。俺をチラッと見た後、明らからに慌てて視線を逸らすこいつ。 そして、「あたしっ、そろそろ帰ります。」と、突然鞄をゴソゴソし始めた。 「なんだよ、もう少し残ってん... 2021.08.04 My teacher
My teacher My teacher 9 食事が進みお店が混んでくると、あたしはある事が気になり始めた。 それは、「牧野先生」という呼び方。 生徒たちと行動する時は、必ず「先生」呼びをさせる事は鉄則だけど、それ以外の時はなるべく「先生」という呼び方は避けている。 ... 2021.08.02 My teacher
My teacher My teacher 8 お茶会があった日から10日ほど経った週末、あたしは和菓子店に来ていた。 ショーケースに並ぶ和菓子を見ながらどれにしようかと悩んでいると、あたしの背後でお店の扉が開く音がした。 「お邪魔します。」 「あらあら、西門さん、よ... 2021.07.31 My teacher