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nephew 21

姉ちゃんからの『新居』話しを聞き、牧野の方を向くと「実はね……」と戸惑いながらも話し始めた。 「実はね、お姉さんも退院して宗太くんも嬉しそうだし、私もいつまでもここにお世話になってる訳にもいかないから、そろそろマンションに戻りますっ...
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nephew 20

「俺の生涯、愛する女はおまえだけだ。牧野、俺と結婚してくれ。」 この言葉に嘘はない。文字通り、俺の生涯で愛した女はこいつだけで、それは今までもこれから先も変わらない。 「この指輪は、俺が初めて自分で働いて金を貰った時に、おまえ...
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nephew 19

「道明寺、あたし、あんたに大事な話があるの。」 こういうときの牧野は要注意だ。マジな顔で俺の顔色を伺うような態度で来るときは、あまり良くない話の時。過去にも何度か経験がある。 合コンに人数合わせで行かなくちゃいけなくなったと言...
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nephew 18

一週間の出張スケジュールを3日に凝縮させたのだから、死ぬほど辛かったのは言うまでもない。なんとか予定していた業務を片付けてジェットに乗り込んだあとは日本までのフライトをただひたすら眠った。 日本到着は夜の10時過ぎ。この時間なら牧野...
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nephew 17

姉ちゃんが無事に子供を生んで退院の日が来た。この間までガキだった宗太がいつのまにか兄貴面して小さい妹の世話をしている姿を見ると、兄妹っつーのはいいもんだなと笑える。 姉ちゃんの旦那もNYから駆け付けて一週間は日本に滞在するらしい。産...
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nephew 16

牧野が邸で暮らすようになって一ヶ月半。 一度バレてしまえば牧野の部屋に出入りすることへの後ろめたさもなくなり、最近では週のほとんどを同じ部屋で過ごしている俺たち。 それでも相変わらず牧野は、ババァに遠慮しているようで体を重ねる...
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nephew 15

朝目覚めると久しぶりに腕の中にいる牧野の姿に、自然と笑みが漏れる。 起こさないようにその寝顔をひとしきり堪能したあと時計を見ると7時半。土曜の今日は急ぎの仕事もねーし、もう一眠りしようかと再び瞼を閉じたとき、部屋の向こうからノックの...
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nephew 14

道明寺の温かい手が首筋に触れると同時に、体がビクンと揺れた。怪我を心配して様子を見に来てくれた道明寺に、あたしは違う感情が沸き起こる。 久しぶり…………、道明寺に触れられるの。 そんな感情を打ち消すように、怪我はたいしたことな...
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nephew 13

いつもと同じ時間帯に会社を出て運転手が待つ車に乗り込み、すぐに携帯を取りだし牧野へとコールする。 「今終わった。これから帰る。」 「うん、気を付けて。」 まるで夫婦のようなそんな会話が甘く俺の胸をくすぐる。 はずな...
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nephew 12

牧野がこの邸で暮らすようになって1週間。 俺よりも早く出勤するこいつは、俺が朝食を食べにダイニングへ行く頃にはもう食後のコーヒーを飲んでいる。 「おはよう。」 「おう。…………朝から仕事かよ。」 「ん、少しね。」 ...
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