牧野刑事の厄介な山

牧野刑事の厄介な山 2

三日後。 押収した携帯電話の解析が、ひと通り終わった。 画面に並んだ顧客リストの中で、あの名前はやはり異様に思えた。彼女たちは店で働き始めて数カ月、他の顧客はさほど大物はいない中、伏字でも偽名でもなく堂々と、何度も繰り返し記録...
牧野刑事の厄介な山

牧野刑事の厄介な山

あたし牧野つくしが警視庁に入って、7年が経つ。配属は、生活安全部・保安課。 風俗営業、売春、未成年者保護⋯いわゆる「表に出しづらい案件」を扱う部署だ。 あ保安課が扱う事件のうち、被害者や容疑者になるのは若い女性が多い。 ...
こはるびより

こはるびより 26

4年後。 「司、小雪のお昼寝バッグ持った?」 「ああ、もう車に積んだ。」 「帰りは私が迎えに行くって先生に伝えてね。」 「分かった。こはる、そろそろ時間だぞ。」 「あっ、遅刻しちゃう!じゃあ、行ってくるね。」...
こはるびより

こはるびより 25

嫌な予感は的中した。 道明寺邸から帰ってきて数日、こはるの体調が良くない。 食べすぎたのか胃痛と吐き気が続き、今日の朝は微熱まである。 ベッドに横になるこはるに 「大丈夫か?」 ここ数日、俺は何度も同じ言葉を...
こはるびより

こはるびより 24

笹倉邸の俺たちの住居スペースには、今日も甘い雰囲気が流れている。 いつの間にか寝室も一緒になり、2度目の新婚生活を満喫している俺たち。 「行ってくる。」 「行ってらっしゃい。」 そう言葉を交わし、軽くこはるの唇にキ...
こはるびより

こはるびより 23

最近の俺たちは、まるで新婚のような暮らしをしている。 別々だった寝室もいつしか一緒になり、仕事中以外は常に一緒。 どこに行くにも2人で……が当たり前になった。 そして今日は、月に一度のこはるの検診日。午後から仕事の休みを...
こはるびより

こはるびより 22

店を出てタクシーに飛び乗ると、類から携帯に動画が送られてきた。 さっき見たあの動画だ。 まさか4年前のあの呑み会で動画を回していたとは夢にも思わなかった。 けれど類には感謝してもしきれない。 これをこはるに見せれば...
こはるびより

こはるびより 21

あきらが日本に帰国した。半年後の結婚式を控えて色々と準備が忙しそうだ。 あきらの婚約者はアジア系アメリカ人で、仕事の付き合いで3年前に知り合い、その後ゆっくりと関係を深めていった。 昔はマダムキラーと呼ばれていたあきらだが、結...
こはるびより

こはるびより 20

あの日以来、俺たち夫婦はお互いを意識しあっている。 それもそのはず、あんなに濃厚なキスをしたあと、普通に何も無かったようには暮らせない。 正直、近頃はあのキスを思い出し夜も眠れなくなるほどだ。攻めて攻めてこはるの舌を誘い出し、...
こはるびより

こはるびより 19

出張最終日の夜。 父と夫は経済界の重鎮らが集まるパーティーに招かれていて夕方からその準備でバタバタとしていた。 「こはるも一緒に行かないか?」 そう父に聞かれ、即座に首を振ってみたけれど、テーブルに置かれた招待客リストを...
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