絡まる赤い糸 絡まる赤い糸 15 3日後、俺はロスへの飛行機に乗っていた。 親父が何の目的でつくしの会社を調べていたのか、そして同じ頃、遺伝子情報解析センターで誰のDNAを調べていたのか。 親父に聞けば早い。でも、俺はこの目でもう一度つくしの息子である冬季の顔... 2025.04.16 絡まる赤い糸
絡まる赤い糸 絡まる赤い糸 14 翌日の昼休み。俺はオフィスのソファに横たわりながら昨夜のタマの話を思い返していた。 坂東が道明寺邸を去った理由は親父との何らかのトラブルなのだろうか。それと遺伝子情報解析センターからの郵便物とは何なのか。 かなり気になる情報だ... 2025.04.14 絡まる赤い糸
絡まる赤い糸 絡まる赤い糸 13 どこから手をつければいいか…と考えると、やはり執事の坂東の周辺を調べるべきだと行き着く。 坂東は俺が物心ついた時から道明寺邸で働いていた。歳は50代半ば、親父やババァと同じくらいだろうか。 次の日、俺は道明寺邸に関する資料が置... 2025.04.11 絡まる赤い糸
絡まる赤い糸 絡まる赤い糸 12 石橋家のパーティーを終え道明寺邸に戻ると、スーツを着替えることも無くソファーで目を閉じ、自分の考えに集中させる。 坂東と繋がっているのは石橋夫妻ではなく娘の希美だ。だとしたら、何が目的なのか。 考えられることはひとつしかない。... 2025.04.09 絡まる赤い糸
絡まる赤い糸 絡まる赤い糸 11 婚約して3年目で初めて石橋家の門をくぐった。 石橋家は曽祖父の代に石橋産業を創設、その後、祖父は政界にも手を広げ官房長官にまでのし上がった人物だ。 曽祖父と祖父で約80年余り日本を代表する企業として名を馳せ、現在はその息子であ... 2025.03.03 絡まる赤い糸
絡まる赤い糸 絡まる赤い糸 10 その一週間後、俺は日本に帰国していた。 年末までロスで過ごすと話していたのに、急に日本に帰ると言い出した俺に、 「やっぱりあんたに心愛のお守りは無理だったのね。」 と、姉ちゃんが呆れて言う。 「ちげーよ。やり残した... 2025.02.27 絡まる赤い糸
絡まる赤い糸 絡まる赤い糸 9 「逆にあたしが聞きたい。先に手を離したのはそっちでしょ。信じてたのに、裏切られたのはあたしの方。」 静かにそう言ったつくしに、俺はあの頃と同じように言い返す。 「自分の浮気を正当化しようとすんじゃねーよ。何度も言うけど、俺は後... 2025.02.25 絡まる赤い糸
絡まる赤い糸 絡まる赤い糸 8 午後2時。 幼稚園へ冬李(とうり)君を迎えに行く時間。いつものように部屋を出てマンションの駐車場へ下りると、そこに1人の男性がいた。 「あなたは……」 「先日はどうも。」 深く頭を下げるその男性とは、心愛ちゃんのお... 2025.02.24 絡まる赤い糸
絡まる赤い糸 絡まる赤い糸 7 「ママっ、ねぇ、ママ聞いてる?」 後部座席に座るとうりの声であたしは我に返る。 「ん?ごめん。何?」 「あのね、僕、ママに怒られることしちゃった。」 「怒られること?」 「うん。今日、チーズたっぷりのピザを食... 2024.12.02 絡まる赤い糸
絡まる赤い糸 絡まる赤い糸 6 「ピザがいい」 男の子のリクエストに応えて、俺はすぐにピザのデリバリーに電話をかけた。アメリカンサイズのピザは想像以上にデカいだろうと予測してMサイズを2枚と、他にもポテトを頼む。 「困ります。」 と、遠慮するベビーシッ... 2024.11.28 絡まる赤い糸