絡まる赤い糸

絡まる赤い糸 22

あれから30分がたった。 つくしは今、ドクターから冬季の検査結果の詳しい説明を聞くため、救急室から離れた場所へと連れていかれまだ戻ってきていない。 俺の頬を引っぱたいたつくしの目は完全に怒っていた。もちろん、騙すようなことをし...
絡まる赤い糸

絡まる赤い糸 21

司様から重大な任務を2つ授かった。 ひとつはそれほど難しいものではなく、スピードが重視なので早速取り掛かることにする。 この病院から30分ほどのところに道明寺家が所有するプライベートジェット用の滑走路がある。 司様の父で...
絡まる赤い糸

絡まる赤い糸 20

冬季のぐったりした様子を見た瞬間、血の気が引き地面がぐらりと揺れるようなふらつきを覚えた。 かなり動揺していた。手足が震えるのがわかった。けれど、つくしは違った。 携帯を取りだし救急車を呼んだあと、震える声で「大丈夫、今助けに...
絡まる赤い糸

絡まる赤い糸 19

「ママへの誕生日プレゼントでしょ?」 冬季にそう言われ、ハッとする。 今日は12月28日。つくしの誕生日だ。 一瞬気まづそうな表情をしてしまい、 「時差で曜日感覚がズレてんだよ、今日が何日か…」 と、言い訳を...
絡まる赤い糸

絡まる赤い糸 18

「この件には口出しするな。」 親父からそう冷たく突き放されて、激しい頭痛を抱えながら一夜を明かした。 もうロサンゼルスにいる意味が無くなった。つくしとは5年前に終わったのだ。何を今更蒸し返そうとしているのか。 何度も自問...
絡まる赤い糸

絡まる赤い糸 17

どこから漏れたのか、石橋家で開かれたパーティーの写真が流出した。 それも、どの角度から撮ったのか…と思わせるような巧妙なアングルで、石橋家の3人と俺とババァがフレーム内に綺麗に収まっている。 マスコミが騒ぎ立てるのも仕方がない...
絡まる赤い糸

絡まる赤い糸 16

駐車場の奥から3台目にいつも停めている愛車のSUV車が見えた。 遠目からでは中の様子は分からなかったが、近くまで近づくと、助手席に黒い人影が見えた。 どうやら大人しく車の中で待っていたのだろう。 いつものように運転席を開...
絡まる赤い糸

絡まる赤い糸 15

3日後、俺はロスへの飛行機に乗っていた。 親父が何の目的でつくしの会社を調べていたのか、そして同じ頃、遺伝子情報解析センターで誰のDNAを調べていたのか。 親父に聞けば早い。でも、俺はこの目でもう一度つくしの息子である冬季の顔...
絡まる赤い糸

絡まる赤い糸 14

翌日の昼休み。俺はオフィスのソファに横たわりながら昨夜のタマの話を思い返していた。 坂東が道明寺邸を去った理由は親父との何らかのトラブルなのだろうか。それと遺伝子情報解析センターからの郵便物とは何なのか。 かなり気になる情報だ...
絡まる赤い糸

絡まる赤い糸 13

どこから手をつければいいか…と考えると、やはり執事の坂東の周辺を調べるべきだと行き着く。 坂東は俺が物心ついた時から道明寺邸で働いていた。歳は50代半ば、親父やババァと同じくらいだろうか。 次の日、俺は道明寺邸に関する資料が置...
タイトルとURLをコピーしました