バカな男

バカな男 4

『幸せになって』昨日あいつから言われた別れの言葉が、何度も何度も頭にリピートする。 オフィスのデスクで一晩一睡もしないで過ごしたのははじめてだ。出勤してきた秘書の西田がそんな俺に一瞬驚いた顔を向けたが、すぐにいつもの冷静さな声で、「...
バカな男

バカな男 3

牧野と交わした約束の4年をとうに過ぎ、今年で6年目。4年目の冬、「あともう少しかかりそうだ」と言った俺に「わかってる。」と、小さく微笑み、それ以上何も言わなかったあいつ。俺はそれをいいことに、ずるずるとNYでの生活を続け、気付けば...
バカな男

バカな男 2

「おまえとメイドがいちゃついてる」類の言ったこの言葉の意味がおれには全く理解できなかったが、あきらと総二郎も苦虫を噛み潰したような顔をして俺をみている。 「まぁ、司もここに座われよ。落ち着いて話そうぜ。類、おまえもはじめからとばすな...
バカな男

バカな男 1

「西門さん?今電話いい?」 「おー、牧野。どーした?」 「あのね、滋さんからちょっと聞いたんだけど、……来週NYに行くんでしょ?」 「ああ。向こうで知り合いのパーティーがあるから行くけど、それがどーした?」 「あの...
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