司一筋

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牧野刑事の厄介な山

牧野刑事の厄介な山 12

「……なんで交換しちゃったんだろう」 翌朝、目を覚ましたあたしは、枕元のスマートフォンを手に取ったまま小さく息を吐いた。 画面には、昨夜新しく登録した名前がある。 ――道明寺司。 何度見ても、自分の連絡先にその名前...
牧野刑事の厄介な山

牧野刑事の厄介な山 11

コンビニの自動ドアが開く。 「いらっしゃいませ〜」 店員の声を背に、俺の足は迷うことなく店の奥へ向かった。 イートインスペースの隅。 白のカーディガンに黒いスラックス姿の女刑事が、小さなおにぎりを頬張っている。 ...
牧野刑事の厄介な山

牧野刑事の厄介な山 10

三か月後。 その日の夜、俺は六本木にある会員制のバーにいた。 向かいには類、総二郎、あきら。俺から三人を飲みに誘ったのは、ずいぶん久しぶりだった。 普段なら、誘われても断ることのほうが多い。たとえ顔を出したとしても、長居...
牧野刑事の厄介な山

牧野刑事の厄介な山 9

夕方。 一日の予定を終え、執務室へ戻ると、西田が静かに近づいてきた。 「司様、お伝えしたいことがございます」 「なんだ」ネクタイを少し緩めながら椅子へ腰を下ろす。 「昨日、警察署にコートをお忘れになりましたか?」そ...
牧野刑事の厄介な山

牧野刑事の厄介な山 8

偽物の男の取調べは、思っていたよりもあっさりと終わった。 取調室のガラス越しに様子を見ていたあたしは、思わず拍子抜けする。 男は最初こそ強がっていたが、証拠を並べられるとすぐに観念した。 「なんで道明寺司の名前を使ったん...
牧野刑事の厄介な山

牧野刑事の厄介な山 7

六本木の夜は、相変わらず人が多い。ネオン、笑い声、タクシーの列。どれだけ時間が経っても、この街は眠る気がないらしい。 あきらから、『偽物の道明寺が現れた』と30分前に連絡が来た。急いで邸を飛び出してきたが、店の前に着くと、入口脇の街...
牧野刑事の厄介な山

牧野刑事の厄介な山 6

「おい」 声をかけると、女刑事が振り返る。 一瞬だけ、驚いた顔。 「……まだいたんですか?」 「帰るつもりだったけどな」 ポケットに手を突っ込んだまま、 「気になって帰れねぇから、俺も行く」 と、...
牧野刑事の厄介な山

牧野刑事の厄介な山 5

店長に案内され入ったのは、フロアの奥にある半個室だった。 店内の喧騒は半減するが、VIPルームという程ではない。 白いソファーにピンクのクッション。テーブルの上には、淡いブルーのグラスがいくつか用意されている。 そんな華...
牧野刑事の厄介な山

牧野刑事の厄介な山 4

「自分たちが会っていた道明寺司は、この人じゃない」 女の子たちが語ったこの言葉は、署内に衝撃と安堵をもたらした。 もし本当に道明寺司本人が関わっていたら、単なる風俗営業違反じゃ済まされない。 マスコミも、政治も、上層部も...
牧野刑事の厄介な山

牧野刑事の厄介な山 3

高級クラブ「Lily」の内定調査に入ってから一週間。店の経営者二人とクラブのママに逮捕状が出された。 それと同時に、未成年の女の子たちと繋がりがあったと推測される客への事情聴取と裏付け作業が連日続いていた。 その中の一人、道明...
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