眠れない夜 眠れない夜 31 ドンッ!ボンッ!バシッ!! 「痛ってぇ!おまえさ、少しは手加減しろよっ。」 「はぁ?突然おかしなことしてきて、何よあんたっ!」 バシッ!! もう一度俺の胸を思いっきり叩く牧野の耳が照れているのか真っ赤なのに気付き、... 2024.04.14 眠れない夜
眠れない夜 眠れない夜 30 新潟から東京に戻り、邸に着いたのは夜になっていた。 エントランスに近付くと、そこには見慣れた車がとまっている。 類のポルシェだ。 「あっ、花沢類の車?」 と、牧野もその車に気付き嬉しそうに呟く。 気に食わねぇ... 2024.04.11 眠れない夜
眠れない夜 眠れない夜 29 昨夜は寝付けなかった。 朝方までウトウトを繰り返し、ようやくうっすらと明るくなりかけてきた頃、深い睡眠が訪れた。 そのせいで、目覚めたのは9時半すぎ。 ダイニングに炭酸水を取りに行き、そのついでに……とわざわざ1回に下り... 2024.04.11 眠れない夜
眠れない夜 眠れない夜 28 部屋に戻りタバコの悪臭が染み付いた服を脱ぎ捨てると、ようやく少しだけ頭痛が和らいできた。 今日は長い1日だった。 このまま目を閉じて、明日の朝になれば全てを忘れてしまっていたい。 そう逃避してしまいそうになる思考を、トン... 2024.04.06 眠れない夜
眠れない夜 眠れない夜 27 9月中旬、類とふたりで出掛ける約束をした。 脅迫文や嫌がらせ、就活などでバタバタとした日々を過ごしていたから、こうしてのんびりと過ごすのは久しぶりだ。 大きな公園で草むらに並んで座り、時間を気にすることなくダラダラするのがこん... 2024.04.01 眠れない夜
眠れない夜 眠れない夜 26 警察で聴取を受け、その後病院で検査をし、全てが終わったのは次の日の正午近かった。 その間、牧野のそばにはずっと姉ちゃんが付き添っていて、こういう時は男の俺は何も役に立たない。 ただひたすら、ヤキモキした気持ちを抱えながら車の中... 2024.03.28 眠れない夜
眠れない夜 眠れない夜 25 牧野の肩の怪我が治りかけてきた頃、事件が起きた。 金曜の夜、部屋で寛いでいるとタマが血相を変えて俺の部屋に飛び込んできた。 「坊ちゃん!」 「っ!なんだよ、ノックもしねーで。」 「これ、見てくださいな。」 タ... 2024.03.25 眠れない夜
眠れない夜 眠れない夜 24 それから数日たったある日。 いつものように大学の図書館で自習している途中、トイレに席を立った。 数分後、席に戻りそこに広げていた教科書を見てあたしは唖然とする。 そこには赤ペンで大きく、 「泥棒猫!!」 と殴... 2024.03.23 眠れない夜
眠れない夜 眠れない夜 23 その夜、22時をすぎた頃あたしの部屋の扉が小さくノックされた。 タマさんか?そう思ったけれど、いつもならこの時間は寝ているはず。 「はい?」 「俺だ。」 扉の向こうから道明寺の声。 道明寺があたしの部屋まで来... 2024.03.20 眠れない夜
眠れない夜 眠れない夜 22 夏休みも残すところ1週間。 就活やバイトに追われ、結局夏休み中に花沢類と会ったのもほんの数日、しかもキャンパス内でだけだった為、 「少しは俺に時間を割いてよ。」 と言われ、今日は2人でドライブに行ってきた。 少し遠... 2024.03.14 眠れない夜