イツモトナリデ

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イツモトナリデ 13

牧野を諦め切れないなら、正面からぶつかって行く。そう決めた俺は、次の日から早速行動に出る事にした。 牧野の通勤時間に合わせて出勤し、まずはエレベーターに一緒に乗り込む。仕事中も出来るだけ牧野と遭遇するルートを通る。欲しくもないコーヒ...
イツモトナリデ

イツモトナリデ 12

帰宅して、リビングのソファに腰を下ろしたあたしは、ゆっくりと自分の髪から白いハンカチを抜き取る。そして、それをしばらく見つめた後、頭を抱えて「あ゛ーーーー。」と、1人叫んでいた。 久々に道明寺に会った。今まで何年もずっと側にいたのに...
イツモトナリデ

イツモトナリデ 11

牧野と距離を置くようにしてから3ヶ月。俺の気持ちに整理がつき始めたある日の夕方、仕事中の俺の携帯が鳴った。 滋からのグループLINE。「熱が出て早退したから、今日は2人で看病に来る事!」と、病人からの命令。 そういえば、昨日会...
イツモトナリデ

イツモトナリデ 10

『負けるってわかってる戦に挑もうとしてる俺はバカだよな。でも、あいつが幸せなら、俺は戦を諦めようと思ってる大バカだ。』 俺が滋に言った言葉。どうやら、俺は大バカになる事に決めたらしい。 牧野が二階堂と付き合うようになった。一度...
イツモトナリデ

イツモトナリデ 9

翌日、仕事が終わると会社の前からタクシーに乗りこんだ。行き先は、先輩と待ち合わせをしているお店へ。 30分ほどでそのお店の前に着いたあたしは、その店構えに圧倒される。和食の美味しいお店…と先輩は言っていたから小さな和食処を想像してい...
イツモトナリデ

イツモトナリデ 8

パーティーの翌日、自宅のマンションで出勤支度をしていると、メールの着信音が響いた。 滋からだ。朝からなんだ?と開いてみると、「ちょっと、これ何よ。」という文と共に複数の画像が送られてきた。 それを見た俺の眉間に深い皺が入る。一...
イツモトナリデ

イツモトナリデ 7

10日後。 ババァに連れられて、関連会社が集まるパーティーに出席していた。 会場に入って1時間ほどで俺の手元には交換した大量の名刺が積み上がっている。それを西田に渡しながら、「少し休憩してくる。」と言って会場を出ようとした俺の...
イツモトナリデ

イツモトナリデ 6

金曜日、あたしは一泊用の着替えが入った鞄を持って家を出た。 大阪行きの新幹線は、18時台の1番早いものを予約した。定時で仕事を終わらせて駅まで急げば、大阪に21時には到着する。 駅からタクシーに乗り、先輩が泊まっているホテルで...
イツモトナリデ

イツモトナリデ 5

滋の部屋を出たのは、いつもよりも1時間も早い21時を過ぎた頃だった。 ビールと梅酒をがぶ飲みした牧野は、案の定酔っ払い、かろうじて起きてはいるが足元はふらふら状態。それでも電車で帰ると言って聞かないこいつを、俺は無理やりタクシーに詰...
イツモトナリデ

イツモトナリデ 4

二階堂先輩と食事をした翌日、昼休憩の時にあたしのデスクに滋さんがやってきた。 「つくし、お疲れ〜。」 「あれ、滋さん。お昼は?」 「急いで食べて来たわ。」そう言ってあたしの隣に立つと、 「昨日はどうだった?」と、声...
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