イツモトナリデ イツモトナリデ 33(最終話) 半年後…… 「ねぇ、招待状、持った?」 マンションを出て道明寺の車に乗り込むところで、もう一度忘れ物がないかをチェックするあたしに、 「ああ、おまえの分も持ったぞ。」と、ハガキサイズの2枚の招待状をヒラヒラとみせる道明寺... 2022.07.28 イツモトナリデ
イツモトナリデ イツモトナリデ 32 大河原滋さんの婚約パーティーが開かれたその日の夜、私は書斎に息子を呼び出した。 「なんだよ。」相変わらず、会社以外では横柄な態度の司に、私はソファを指差して座れと合図する。 そして、私も正面に座り手帳を開きながら言った。「今月... 2022.07.25 イツモトナリデ
イツモトナリデ イツモトナリデ 31 1ヶ月後…今日は都内にあるホテルのガーデンを貸し切って、大河原家の婚約披露パーティーが開かれている。 道明寺家と引けを取らない大財閥なだけあり、各界からの大御所が勢揃いし豪華な宴だ。 大河原家のご令嬢である滋さん。モデル並みの... 2022.07.20 イツモトナリデ
イツモトナリデ イツモトナリデ 30 俺の暴露の一件以来、職場は大騒ぎとなった。それから2週間。信じられない…という驚きから、やっぱり……というため息へと同僚の目が変わり始めている。 それには、滋が有る事無い事、いや全部事実だが、言いふらしているらしい。俺が学生時代から... 2022.07.13 イツモトナリデ
イツモトナリデ イツモトナリデ 29 突然、道明寺に挨拶されたパパは驚いていたけれど、マンションの部屋に入るなり、 「ママーーっ、」と、踊るように駆けていく。 「えっ?!彼氏っ?」パパから話を聞いたママも、有頂天だ。 「どんな人?どこで知り合ったの?」 ... 2022.07.10 イツモトナリデ
イツモトナリデ イツモトナリデ 28 ババァとの話が終わり、久しぶりに邸の自室の東部屋に入ると、ポケットの中の携帯が鳴り出した。 滋からだ。 「もしもし。」 「司?仕事は終わった?」 「ああ。」 携帯を耳に当てながらソファにドカリと座る。 ... 2022.07.04 イツモトナリデ
イツモトナリデ イツモトナリデ 27 それから2日経った日の夕方、珍しくババァから携帯に連絡がきた。 「今日の予定は?」 「なんだよ。」 「夜、邸に来れるかしら?」 「用件は?」そう聞く俺に、 「食事でも一緒にいかが?」と、不気味な事を言ってくる... 2022.07.01 イツモトナリデ
イツモトナリデ イツモトナリデ 26 NYから戻ってきた滋さんは、ある決断をした。それは、会社を年内いっぱいで退職すると。 実家の大河原を継ぐ事に決めたらしい。 元々、道明寺ホールディングスに就職したのも、お父様から社会経験を積んでこいと言われたからで、ゆくゆくは... 2022.06.28 イツモトナリデ
イツモトナリデ イツモトナリデ 25 がんばるっ!なんて、宣言したくせに、いざ道明寺の長い指があたしの中へ入ってくると、痛みと恥ずかしさで、思わず頭をブンブンと横に振る。 「痛いか?」 「…ん、う…」 声にならない声。拒否したい気持ちと、受け入れたい気持ちが... 2022.06.07 イツモトナリデ
イツモトナリデ イツモトナリデ 24 リアムのバーを出たのは23時過ぎだった。 店の前で滋たちと別れ、俺と牧野はホテルまでの道を手を握り歩く。 「…なんか、変な感じ。」 「あ?」 「だって、あたしたち、日本でもこうして手を繋いで歩いた事なんて無いのに、... 2022.06.04 イツモトナリデ