イツモトナリデ

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イツモトナリデ 23

時間を遡ること二日前。NY行きの準備をしている俺のところにリアムから電話があった。 「司、面白い情報が入ったよ。」 「面白い情報?」 「ああ。君が探している女性だけど、昨日からNYの街を3人で行動してる。」 3人…...
イツモトナリデ

イツモトナリデ 22

あれから滋とは連絡がつかないまま、俺たちはNYに降り立った。 リアムの情報によると、滋はずっと同じホテルに滞在している。まずは、ホテルへ行ってみようということになり、俺と牧野はタクシーに乗り込んだ。 運転手に行き先を告げて、そ...
イツモトナリデ

イツモトナリデ 21

滋が会社を休んでいる。その情報は西田からもたらされた。 2日休暇を取ったあと会社に電話があり、「体調が優れないので、もう数日休ませて欲しい。」と、滋本人から連絡があったそうだ。 それを聞いて俺はすぐに滋に電話をしたが、丸一日応...
イツモトナリデ

イツモトナリデ 20

滋さんと道明寺が帰ってから二時間後、あたしの携帯が鳴った。てっきり「後で電話する。」と言っていた道明寺からだと思ったのに、画面には滋さんの文字 「もしもし。」 「つくし〜、さっきはお邪魔虫でごめんね〜。」 相変わらず滋さ...
イツモトナリデ

イツモトナリデ 19

滋の勘の鋭さには敵わねぇ。結局、俺が牧野の部屋にいることはあっという間にバレて、「どういう事か説明してもらうわよ。」と、ニヤニヤ顔のこいつにリビングに座らせられた。 この部屋で俺たち3人が揃うのは初めてだ。牧野が熱いお茶を淹れてリビ...
イツモトナリデ

イツモトナリデ 18

「おまえの部屋に行くぞ。」 道明寺にそう言われ、しっかりと手を繋がれながらマンションへと入っていく。そして、部屋に入った途端、あたしの身体は玄関の壁に追い詰められた。 「…ど、みょうじ?」 「ようやく誰にも邪魔されねーな...
イツモトナリデ

イツモトナリデ 17

「あたし、道明寺の事、もう友達として見られない。」 あたしが言ったその言葉に、道明寺は「牧野…」と呟いた、その時だった。 急に鞄の中から携帯の着信音が鳴り響く。静かな公園では、やけにその音が大きく感じて慌てて携帯を取り出したあ...
イツモトナリデ

イツモトナリデ 16

自分のオフィスに戻りデスクに着いた途端、机に突っ伏して目を閉じる。すると、つい数分前の出来事が蘇ってきて、あたしは思いっきり頭を抱えた。 「牧野さん、どうしたの?」斜め前に座る二つ上の先輩が、挙動不審のあたしに声をかけて来たけれど、...
イツモトナリデ

イツモトナリデ 15

週末が明けた月曜日。部屋で出勤の身支度をしながら、あの夜の電話を思い出す。 夜中にかかってきた道明寺からの電話。「おまえが好きだ。男として俺を見て欲しい。」そう言った後、黙るあたしに、 「月曜の朝、東京に戻るから。」とだけ言っ...
イツモトナリデ

イツモトナリデ 14

二階堂を殴った俺の拳がジンジンと熱い。その証拠に、二階堂の唇の端が赤く血で染まった。相手の男が心配して二階堂に駆け寄り、切れた唇に触れる。 それを見て、俺はまた怒りが込み上げて来た。もう一度、二階堂の首元を掴むと、激しく壁に押し付け...
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