nephew 10

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予想通りというか、それ以上というか、
邸に連れて行った牧野を見て宗太は無茶苦茶喜んだ。

タマが牧野のために用意した部屋は俺の部屋の隣で、少ないながらも家から持ってきた荷物を片付けている間も宗太は牧野の側を離れない。

「宗太、そろそろ寝る時間だろ。」

「まだ遊びたい。」

「ダメだ。もう9時過ぎてるぞ。」

牧野の回りをチョロチョロ付いて回る宗太にそう言うと、片付けを手伝っていたタマも、

「そうですよ宗太坊っちゃん。
まだお風呂にも入ってないじゃないですか。
そろそろ準備しましょ。」
と宗太に言う。

「やだよっ。まだ僕ここにいる。」

「明日は朝早くから坊っちゃんのパパが日本に帰ってくるんですよ。
だから早く寝ましょ。」

「やだよっ。」
タマの説得にも耳を貸さない宗太。
そんな宗太が突然何かいいことを思い付いたかのように顔をあげて牧野を見て言った。

「それなら、つくしと一緒にお風呂に入るっ。」

「っ!」
「てめぇー、ふざけんなっ!」

驚く牧野と怒鳴る俺。
そんな俺たちを横目にこいつはさらっと言いやがる。

「つくし、いいだろ?
僕と一緒にお風呂に入ろうよ。」

「宗太っ!いくらガキだろーと、牧野にそんなこと言う奴は俺が許さねーぞ。」

「司にぃには関係ないだろ。」

「関係大ありだっつーの!
こいつは俺の女だ。
他の男と風呂になんて入ってたまるかっ。」

牧野が他の男と話すことさえいまだに嫉妬するっつーのに、風呂なんて死んでもあり得ねぇ。

「つくし、ダメ?」

「絶対ダメだ。」

「司にぃに聞いてない。」

「うるせー。こいつのことは全部俺を通せ。
それとっ!おまえその『つくし』っつー呼び方やめろ。」

「なんだよ、司にぃはうるさいな。
風呂もダメ、名前を呼ぶのもダメ、なんでもダメダメうるさいな。」

もううんざりとでも言いたげに生意気な口調で俺に言いやがる宗太。

「…………このクソガキ。
この際だからはっきり言ってやる。
俺はおまえが6才だろーと、手加減しねーぞ。
おまえはれっきとした男だ。
だから、俺の女に手を出すな。
牧野に気安く触れるのも禁止、風呂なんてもっての他だ。
分かったか?」

まだまだ言ってやりてぇことはある。
呼び捨ても禁止、部屋にも俺の許可なく出入り禁止、抱きつくのも絶対ダメだ。
そんな禁止事項をなんとか呑み込んで言ってやると、俺の背後から冷たい一言が響いた。

「大きな声が聞こえると思ったら、何を恥ずかしいこと叫んでいるんですか。」
と俺を冷ややかな目で見つめるババァの姿。

「おかえりなさいませ。」
「おかえりなさい、お邪魔しています。」
慌てて立ち上がるタマと牧野に、

「牧野さん、悪かったわね突然。
片付けはあとにして、お茶を用意させるからゆっくり休んでちょうだい。」
と、優しい言葉をかけるババァ。

そして、
「宗太もわがまま言わないでタマの言うことを聞きなさい。
バスの用意が出来たらすぐに入ること。」
そう宗太に言い残して部屋を出ようとする。

そんなババァに宗太が口を尖らせて言う。
「タマもつくしもグランマもみーんなケチだっ。
あんな広いお風呂に一人で入ったって楽しくないよ。
いつもはママかパパが一緒に入ってくれるのに、ここではいつも僕一人だ。」

この邸では俺もそうして育ったように、宗太ぐらいの年齢になると風呂は一人で入っていた。
声をかければ使用人が着替えや洗髪を手伝ってくれることはあったけど、基本いつも一人。
思い起こせば、風呂用のおもちゃがたくさん浮かぶ湯船で一人寂しく入っていた記憶がよみがえる。

はぁーーーー、ったく。

口を尖らせて『ケチ』だと呟く目の前の宗太を見て、俺は立ち上がり片手でチビの宗太を小脇に抱えてやる。

「なんだよ、離せよ司にぃ。」

「うるせぇ。
風呂入るぞ。
俺の部屋のバスはこの邸で一番でかいんだ。
ジャグジーもテレビも音楽も好き放題だ。
どうする?俺と入るか?」

「……うん!」

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