無敵 無敵 8 初めてキスをした。いや、正確に言えば初めてではないけれど、記憶を失ってからは、初めてだ。 昨夜、牧野に触れてから、俺の脳内はまじでヤバい。思春期の高校生かってくらい、何度もあの唇の感触を思い出し、身体が熱くなっている。 肝心の... 2020.12.18 無敵
無敵 無敵 7 コンビニまでの道をゆっくりと歩く俺たち。きっと、ここも何度も通った道なんだろう。 「前にも、二人で歩いたんだよな俺たち。」 「うん。」 「何話しながら歩いてた?」 「んー、なんだろ。いつもくだらない事ばっかり。でも... 2020.12.17 無敵
無敵 無敵 6 立川会長の娘との会食はきっちり2時間で切り上げた。それ以下なら失礼にあたるだろうし、それ以上なら変な期待を持たせることになる。 席を立つ間際、「また会えますか?」と聞かれ、はっきりと伝えた。『気になる女性がいるので』と。 邸に... 2020.12.16 無敵
無敵 無敵 5 あの会食から2週間たった頃、立川会長からメールがきた。 『若い二人で一度食事でもいかがでしょうか。』と、娘との会食を打診するメール。金曜の夜の時間と場所まで指定されている。 立川会長に会って断りをいれようか。それとも、娘に会っ... 2020.12.15 無敵
無敵 無敵 4 日本に戻ってきて半年。ようやく副社長として仕事もスムーズに進み始めた。 日本企業のトップとも顔を合わせる機会も増え、ババァ抜きで個人的に会食に誘われることも最近はよくある。 今日も〇〇コンサルの立川会長と会食の約束がある。事前... 2020.12.14 無敵
無敵 無敵 3 邸に戻ったのは11時を少し過ぎた頃だった。 「坊っちゃん、おかえりなさいまし。」タマが出迎える。 「ご飯は食べたんですか?」 「ああ。」 「嘘おっしゃい。ご飯も食べずにお酒ばかり呑んでいては駄目ですよ。」 「... 2020.12.13 無敵
無敵 無敵 2 いつものバーに行くと、奥の個室にF3が揃っていた。 ガキの頃から腐れ縁の俺たちは、相変わらずつるむ仲。 ハイボールを2杯ほど呑んだところで手が止まった俺に、「司、呑まねーの?」と、総二郎が聞く。 「…おう、今日はこれぐら... 2020.12.12 無敵
無敵 無敵 1 道明寺財閥の御曹司。地位も金も権力も敵無しの俺だが、唯一、欠けているものがある。 それは、……記憶らしい。 :::「道明寺、聞いてる?」 「…あ?」 「だから、コーヒーは飲み過ぎないでね。カフェインの取りすぎ。」 ... 2020.12.12 無敵