無敵

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無敵 19 最終話

2ヶ月後:: 「道明寺、今日空いてる?」 「ん?」 仕事中、珍しく牧野からメールではなく電話が来た。 「ああ、8時にはオフィスを出れる。」 「じゃあ、うちに来て。」いつもより固い口調の牧野。 「…おう。...
無敵

無敵 18

「本当に、作り物みたいに星が綺麗。」 車に戻ってからも空を見上げて牧野がそう呟く。確かに、今日の星はまるでプラネタリウムのように空全体に輝いている。 「朝日も綺麗なんでしょ?」 「ああ。」 「ここに住んだら、朝が楽...
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無敵 17

「記憶、戻ったの?」信じられないという顔でそう聞く牧野と姉ちゃんに、 「ああ。」と、笑って返してやる。 「嘘……でしょ。」 「ほんとだ。」 「でも、どうして…」 「姉ちゃんの強烈なパンチがクリーンヒットした。...
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無敵 16

牧野の実家に泊まった1週間後、姉ちゃんがNYから一時帰国した。 姉ちゃんには、記憶を無くしたあとまた牧野と恋人関係になっているとは知らせていない。牧野を可愛がっている姉貴なら、相当喜ぶだろう。 だから、姉ちゃんが日本に戻る日に...
無敵

無敵 15

家に戻ると、リビングで待っていた牧野が、「お酒飲んでるから長湯はしないでね。」と、着替えを俺に渡し、風呂場に案内する。 「記憶が繋がったお祝いに進と一緒に入る?」 「あ?冗談はやめろ。」 「あはははー」 笑う牧野の...
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無敵 14

「えっ!!思い出したの?道明寺っ!」 「ああ。」 「ほんとっ?!凄いっ、やったー!」 牧野と両親と、何がなんだか分かっていない弟と、みんなで無茶苦茶喜んでいるけれど、肝心な事が伝わってねえ。 「牧野。」 「ん...
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無敵 13

2度目の恋愛を……。西田にそう言われて以来、牧野との時間を大切に過ごすように決めた。 記憶が戻れば解決する。そう思っていたけれど、もしも記憶が戻らなくても、俺たちに新たな思い出が残るように。 ::朝、オフィスで1日のスケジュー...
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無敵 12

オフィスのソファの上で、またしても襲いかかる俺に、「道明寺っ。」と、胸を押し返して抗議する牧野。 その開いた口を絶好のチャンスとばかりに、舌を潜り込ませ、唾液を吸い上げる。 「ダメっ……」その言葉さえも甘く響き、徐々に身体をソ...
無敵

無敵 11

あの日以来、牧野の薬指には指輪が光っている。それは、俺が気に入っているデザイナーに特注で作らせたものだと一目で分かった。 F3から聞く俺と牧野の恋愛はかなりの紆余曲折だったらしいが、それを乗り越えるほど一途に牧野を愛していたのだろう...
無敵

無敵 10

次の日、いつもより早く出社した俺は、専用のポットを持ち、あの男が働くカフェへと向かった。 西田に調べさせた所、歳は27で俺の1つ下。雇われ店長ではあるけれど、やつが店長になって以来、売上もかなり好調らしい。 店に躊躇なく入ると...
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