出来ない女と、しない男

出来ない女と、しない男

出来ない女と、しない男 19

その日から専務、いや、道明寺の怒濤の攻撃が始まった。 空いた時間は…………というよりも会社にいる以外はあたしのために空けてるんじゃないかと疑うほど頻繁に会いにやって来る。 「つくし、あんた騙されてるよ。」 「え?」 ...
出来ない女と、しない男

出来ない女と、しない男 18

牧野を連れて店から出た俺は、「おまえに話がある。」そう言って返事も聞かずタクシーにこいつを押し込めた。 「メープルホテルまで。」運転手にそう告げると、驚いた顔で俺を見る牧野。 タクシー内の至近距離で見つめられるとバカ見てぇに心...
出来ない女と、しない男

出来ない女と、しない男 17

残された男たちはあきらの提案で行きつけのバーにいくことにした。 店の奥の仕切られたスペースに座る。 「で?見合いっつーのはいつものあれか?」 「ああ。」 「ったく、よくやるよおまえも。」 あきらがそう言うのも...
出来ない女と、しない男

出来ない女と、しない男 16

『お見合い』 その言葉にここにいる奴等が固まった。唯一、総二郎だけが楽しそうにヒューっと口笛を吹き、あきらに頭を叩かれている。 「と、とにかく、せっかく来てくれたんだからワインでもどう?」 この場を取り繕うため、滋がそう...
出来ない女と、しない男

出来ない女と、しない男 15

今日は久々に大河原邸で集まることになっていた。メンバーはいつも通り。だけど今日は特別な日。 『滋さんの26才の誕生日』 本当なら、大河原財閥のご令嬢の誕生日といえばどこかのホテルを貸しきって盛大に行われるはずなのに、滋さんはあ...
出来ない女と、しない男

出来ない女と、しない男 14

実家での気まずい雰囲気から一変、この人の胸に抱きしめられて、至近距離で聞いた『好き』という言葉。 でも、今すぐに専務に伝えられる言葉を用意していないあたし。本気で恋愛対象として見れるかと問われれば、きっと答えはNO。それほど、あたし...
出来ない女と、しない男

出来ない女と、しない男 13

「お邪魔します。」 玄関まで出てきたパパとママにそう言って、スマートな動作で靴を揃えて入っていくこの人。 「いらっしゃい。夕飯は?」 「済ませてきました。」 「じゃあ、お茶でも。」 あたしのあたふたなんてお構...
出来ない女と、しない男

出来ない女と、しない男 12

専務が家まで来たあの日、そのあと散々桜子と滋さんからあたしたちの仲を詮索された。 でも、言葉で表せる仲ではないあたしたち。「好きだって言われたの?」滋さんにそう聞かれたけど、ふと思い返してみれば、『付き合おうぜ』とは言われたけれど、...
出来ない女と、しない男

出来ない女と、しない男 11

専務の突然職場訪問から3日後、 桜子と滋さんと三人揃って家で遅めの夕食をとっているとき、滋さんの携帯が鳴り響いた。 「ごめん、ちょっと失礼。」そう言ってリビングにある携帯を取りに行く滋さん。 「は~い、もしもし。ん?……...
出来ない女と、しない男

出来ない女と、しない男 10

「四六時中、おまえのことが頭から離れねぇ。」 そう言った俺の言葉にでかい目をさらにでかくして固まるこいつ。 嘘でもなんでもねぇ。ここ最近の俺はこいつのことが頭から離れねぇ。怒った顔も睨んでくる目も、すっぴんで色気のねぇ部屋着の...
タイトルとURLをコピーしました