シークレット

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シークレット 12

どうしてこうなるのか……。 あたしの部屋に布団が二組敷かれ、その1つに道明寺が寝転がっている。 「天井ってこんなに低いのかよ。」そう呟きながらも、なぜか楽しそうなこの人。 ドキドキしてるのはあたしだけだろうか。家族以外の...
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シークレット 11

「助けてくれて…ありがと。」 あれから1週間たっても、あの日の牧野の言葉が耳から離れない。 俺に興味を持たない苛立ちや、トイレであの男に傷つけられそうになった時の恐怖、絆創膏を貼ったときの頬への感触。あいつに抱く感情は、すべて...
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シークレット 10

道明寺家の車に乗り込み10分。美咲ちゃんが言った公園が見えてきた。 トイレは確か北側の入口付近にある。外はすでに真っ暗であまり人影もない。 車を降り急いで走っていくと、ぼんやりとした外灯に照らされたトイレが見えた。 外に...
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シークレット 9

道明寺に連れ出されるまま店を出て、5分ほど歩いた所で、あたしはずっと気になっている事を口にする。 「ねぇ、いつもこうなの?」 「…あ?なにが?」 「すれ違う人の視線。」 すれ違う女の人はもちろん男の人までもが、道明...
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シークレット 8

週に4日、あたしは団子屋の千石屋で働いている。英徳のバカ高い授業料はうちの家計にはかなり重荷で、両親や弟にはいつも節約生活を強いている。だから、出来るだけ時間の許す限りはバイトをして手助けしたい。 今日も千石屋の店頭で店番をしている...
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シークレット 7

周囲の目を気にして、おとなしくここまで付いてきた牧野は、カフェテリアのF4専用エリアに入った途端、「どういうつもりっ?」と、俺を見上げて睨む。 「まぁ、とりあえず、そこに座れよ。」 「その前に、さっきの画像消して!」 「...
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シークレット 6

牧野がバイトをしている店に行ってから3日後、校内を歩いていると、ベンチに座り日向ぼっこをしている類を発見。 相変わらず、昼寝をしに大学に来ているのかあいつは。 そっと近寄り隣に座ると、瞼がかすかに揺れ茶色の瞳が現れる。 ...
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シークレット 5

「あんたが、どうしてここに?」俺の顔を見て呆然とする牧野。 そこに、「あらあら、イケメンが勢揃いしているわね〜。」と、年配の女が近付いてきた。 「いらっしゃいませ〜。私がここの店長です。つくしちゃんのお友達?」 「いえっ...
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シークレット 4

俺たちの通う英徳は高校、大学共に共通のルールがある。 それは、校内での『恋愛禁止』 姉貴が通っていた頃はこんな規律はなかったらしいが、いつからか風紀が乱れ、勉学や仕事に支障をきたす様になり、この校則が出来たと聞いた。 実...
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シークレット 3

夜、夕食をとるためダイニングルームに行くと、いつもはいないババァが席についていた。 それを見た俺は、すぐに「回れ右」で部屋を出ようとした所で、今度は後ろから来た姉貴に首のあたりを捕まれ、引き戻される。 「頼む、勘弁してくれ。」...
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