My teacher 22

My teacher
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「道明寺先生、今日は空いてますか?」

金曜の夕方、職員室の俺の机の上で、メールのバイブ音が短く鳴った。

「空いてる。」
そう返信しながらも、顔が緩みそうになるのを必死で堪える。

すると、
「部活が無くなったので、早く帰れそうなんです。」
と、すぐに返事が戻ってくる。

「俺も6時半には学校を出れるから、駅で待ち合わせるか?」

「はい。」

付き合ってる2人のメールにしては固いと思われるかもしれねーけど、これがあいつとの日常。
そして、それに染まりつつあるのも、最近の俺。

なかなか敬語が抜けない牧野が、ふとした時にガードが外れてタメ口になったり甘えたり…そんな瞬間に猛烈にドキドキして心臓が痛い。

至近距離で見つめたり、後ろから抱きしめたり、
深くなるキスをなかなか止めることが出来ない時に、
「もう、…。」
と、赤い顔で睨んでくる牧野を見て、そろそろ深く繋がりたいと思うのは我儘か。

あいつにもちゃんと伝わってるよな?
そろそろだって事を…。

7時少し前に駅に到着すると、白いシャツワンピースの牧野が立っていた。

「わりぃ、待ったか。」

「大丈夫です。」

そう答える牧野を見ながら、
「いつもとちげーじゃん。」
と、服を指差して言ってやると、

「家で着替えてきたので。
さすがのあたしも、デートに誘っておきながらTシャツとハーフパンツでは来ませんからっ。」
と、頬を膨らますこいつ。

「偉いじゃん。ちゃんとデートって事自覚してんだな。」

「……。」
視線を逸らして何も答えないこいつの手を握り、

「行くぞ。」
と、地下鉄の階段を下った。

三つ目の駅で降りた俺たちは、初めて入るレストランで食事をすることにした。
ここなら生徒たちにばったり出くわす事もないだろう。

アルコールも飲むつもりで車は学園に置いてきた。
明日はお互いに休みだからゆっくり過ごしてもいい。
食事を終えたら、どこかのバーにでも行こうか。
それとも、映画でも見に行くか。

そして、このまま朝まで……。

そう頭の中でこれからの事を考えながら、夕食を終え店を出ると、
「えっ!」
「おっ!」
と、2人で同時に声を上げる俺たち。

さっきまでそんな気配さえなかったのに、外は通り雨なのか土砂降りになっている。

「凄い雨。」

「止みそうにねーな。」

店の軒下に入って、空を見上げるが、雨足は激しくなるばかり。

「ここで待ってろ。
コンビニで傘買ってくる。」

「えっ?!
コンビニって、」

「あそこにあるだろ。」

「あそこまで行く間にびしょびしょになっちゃう。」

「大丈夫だ。すぐ戻る。」

俺はそう言って、横断歩道の先にあるコンビニまで駆け出した。
すると、ちょうど信号が赤に変わり、立ち往生。
俺の肩はあっという間に水分を含んで重たくなった。

と、その時、
俺の背中に温かい感触があたり、振り向くと、待っていろと言ったはずの牧野がいる。

「ばかっ、何でくんだよ。濡れるぞ。」

「だって、道明寺先生だけ濡れるのおかしいでしょ。
2人で買いに行けば、そのまま駅の方にも行けるし。」

そんな事を話しているうちにこいつの肩もべちゃべちゃに濡れて行く。
そして、濡れたシャツが肌に張り付き下着のシルエットが浮かび上がりそうになっている。

俺は慌てて牧野の手を掴み、近くにある店の軒下へと入り込んだ。

「風邪ひくぞ。」

「道明寺先生だって、」

「俺はいーんだよ。
っつーか、はぁー、ほんとバカっ。」

彼女に向かってバカバカ言うのは良くないのは分かってるけど、今は許せ。
白いシャツワンピースが程よく濡れて肌に張り付いている、こんな状態のこいつを他の男に見られてたまるか。

牧野の鞄を奪うと、
「透けるから、隠してろ。」
と、胸元で抱えるように持たせ、俺は通りを走るタクシーへと手を挙げた。

止まったタクシーに乗り込むと、俺のマンションの住所を告げる。
二軒目のバーに行く予定も、映画館に行く予定も今日は無しで、濡れたこいつを連れて部屋まで直行だ。

隣に座る牧野の濡れた髪の毛を整えてやりながら、
「結局、今日も部屋でのデートになりそうだな。」
と、小声で言ってやると、

「あたしはそれでもいーです。」
と、クスッと笑いながら言うこいつを見て、

可愛い顔で笑ってんじゃねーよ。
こんな状態で部屋に入ったら、速攻おまえ食われるぞ。
と、心の中で呟いた。

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