nephew 17

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姉ちゃんが無事に子供を生んで退院の日が来た。
この間までガキだった宗太がいつのまにか兄貴面して小さい妹の世話をしている姿を見ると、兄妹っつーのはいいもんだなと笑える。

姉ちゃんの旦那もNYから駆け付けて一週間は日本に滞在するらしい。
産後一ヶ月は日本で過ごす予定の姉ちゃんとは、久しぶりに家族水入らずの時間を過ごせるだろう。

牧野は、昨日から京都に二泊で出張。
帰ってくる日の朝から、今度は俺がNYに出張。

「司、なに浮かない顔してるのよ。」

病院から邸に戻ってきた姉ちゃんが、ちいせー猿みたいなガキを抱っこしながら俺に言う。

「してねーよ。」

「してるわよ。寂しいなぁーって顔ね。」

「あ?」

「せっかく私がこの可愛い天使を連れて帰ってきたっていうのに、あんたは相変わらずつくしちゃんオンリーの男ね。」

「うるせっ。兄さんの前で余計なこと言うなっ。」

牧野の事をタマやババァの前でからかわれるのは慣れたけど、久しぶりに会う義兄さんの前ではさすがに恥ずかしい。
そんな俺に、

「牧野さんは元気ですか?」
と、いつも通り穏やかな口調で聞いてくる義兄さん。

「……ええ、まぁ。
元気すぎるっつーか……。」

「宗太が世話になったようで、ありがとう。」

「いえ、俺にとっても美味しい話だったので。」

宗太のおかげで牧野がこの邸で過ごすことができた。
それを暗ににおわせると、義兄さんも分かったようで、
「それはよかった。」
と、クスッと笑う。

そんな俺らを見て、
「男二人でなに笑い合ってるのよ、気持ち悪い。」
と、相変わらずの姉ちゃん。

NY行きのジェットの中で俺の携帯が鳴り、メールの受信を告げた。

「道明寺、お疲れ様。
私は無事に出張から帰ってきたよ。
すれ違いになっちゃったけど、道明寺も出張頑張って。」

牧野からのメールに顔が緩む。
そして、メールの画面を閉じようとしたとき、その下にまだ文章が続いていることに気付く。

画面をスクロールしていくと、緩んだはずの顔が固くなる。

「道明寺が帰ってくるの一週間後だよね?
お姉さんも退院したし、お姉さんの旦那さんもしばらくは邸で過ごすようなので、そろそろあたしはマンションに戻ります。
出張から戻ったら連絡してね。
久しぶりにあたしの部屋で鍋でも食べよう。」

牧野が邸から出ていく。
元々、一人寂しい宗太のために……とババァからお願いされて来てたのだから、姉ちゃんが退院した今、マンションに戻るのは当たり前のことかもしれない。

でも、牧野が邸にいる生活に慣れた俺にとって、あいつがあの家にいないのは……辛い。

今更だが、ここ何年も誤魔化してきた本当の想いが、一気に溢れ出す。
俺はあいつ以外考えらんねえ。
どんなときも俺の中心には牧野がいる。
今までも、この先も、
俺はあいつと一緒にありたい。

それには、当然のことながら『結婚』しかねーだろ。
ここ何年も封をしてきたその感情。
牧野のため……なんて言いながら、また断られるのが怖いのか。

進学、就職……と、若い頃に何度もそんな理由を付けて先伸ばしにしてきた『結婚』。
でも、今の俺たちにはどんな理由も当てはまらない。
そんな状況で、また『もう少し待って。』と、牧野に言われるのが怖いのか。

でも、牧野と一緒に暮らす甘さを知った俺にとって、もう待てそうにねーし、どんな理由を突き付けられても牧野の全部を受け止める覚悟もある。

牧野からのメールを見つめたあと、

『帰ったら話がある。
それまで邸にいろ。』

そう手早く打ち、
「西田、4日、いやっ、3日で仕事終わらせて日本に戻るぞ。」
そう告げた。

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