道明寺の温かい手が首筋に触れると同時に、体がビクンと揺れた。
怪我を心配して様子を見に来てくれた道明寺に、あたしは違う感情が沸き起こる。
久しぶり…………、
道明寺に触れられるの。
そんな感情を打ち消すように、怪我はたいしたことないから大丈夫と告げると、それに念を押すように、『ほんとに大丈夫なんだな?』と聞いてくる道明寺。
「うん、大丈夫。」
そう告げると、さっきあたしが抱いた感情を見透かしたように、道明寺の顔が近付いてきて、あたしの耳たぶをゆっくりと舐めた。
久しぶりのその感触に思わず甘い吐息が漏れる。
それを肯定と受け止めたのか、道明寺の愛撫は更に濃くなり気付けばあたしが身に付けていた唯一のバスタオルが床に落ちていた。
「んっ………クチュ……」
「……ずっと、おまえとしたかった。」
「……うん。」
「こんなにしなかったのは初めてじゃね?」
「クチュ……そ、かも。
……道明寺、あたしだけ恥ずかしい。」
バスルームとはいえ、間接照明が灯る場所で丸裸のあたしに対して、きっちりスーツを着込んだままの道明寺にそう抗議すると、
「フ……すげぇいい光景。
まずはどこから味わおうかな。」
と、逆にこの男を刺激したよう。
細く長い指をあたしの中にゆっくりと沈めながら小さくピストン運動を繰り返されると、自分でも気付くほど道明寺の指を濡らしているのが分かる。
「今日のおまえ、すげぇ濡れてる。」
「やっ……」
「まだイクなよ。
もっと気持ちよくしてやる。」
そう言いながらネクタイを片手で緩める道明寺は、こういうときにだけ見せる男の顔をしている。
ネクタイを首から引き抜いたあと、片手でワイシャツのボタンを外していく道明寺に、あたしはじれったくなって、手伝おうとボタンに手をかけると、
「なぁ、おまえもしたかった?」
と聞いてくる。
「…………。」
「答えろよ。」
「…………。」
それでも、黙ってるあたしに、
「答えてくんねーの?」
そう言いながら、あたしの中に入ったままの指を大きく掻き回す。
「あっ……や……っ……ん」
「イクなって。まだダメだ。」
イカせようとあたしの弱い部分ばかり狙って刺激してくるのに、笑いながらイクなと意地悪を言う。
「道明寺…………もう、ダメ。」
「なにが?」
「……意地悪しないで。」
「フフ……なんのことだよ。」
「クチュ……んっ……早く……」
挿れてくれないと、……イッちゃう。
「あたしも……したかった……よ。
お願い、もう……挿れて。」
我ながら恥ずかしいことを言ってる自覚はある。
けど、もう限界。
道明寺が言うように、もう一ヶ月近くもご無沙汰だった行為。
道明寺とこういう関係になってから、こんなにしなかったのは初めてかもしれない。
いつもは感じたこともなかったsexへの欲求だったけど、こうして一緒にいるのに触れられないのはさすがにあたしも辛かった。
したい……なんて口には出せないけど、
指の刺激だけであっという間にイキそうになってる自分の体が一番正直に物語っている。
そんなあたしに、
「すぐにイカせてやる。」
そう甘く囁いて、
あたしの体を反転させると、後ろからゆっくりとあたしの体へと浸入してきた。

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