僕らの時間 15

僕らの時間
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「俺の部屋に寄って行くか?」

恋愛偏差値の低いあたしでも、道明寺のこの言葉にはそれなりの甘い意味がある事を察知して、一気に顔が火照る。

すると、

「そんな顔すんなって。」

と、あたしから視線を逸らして呟くこの人。

嫌がってると思われただろうか……。

急いで否定しようとしたら、

「そういう顔されたら、待てなくなるだろ。」

と、今度はなぜか道明寺の方が照れて言う。

「……待てなくなる?」

「これでも、すげぇ我慢してんだぞ。」

「なにを?」

「……色々と。」

そんな噛み合わない会話をしているうちに、もう目の前にお互いの家が見えてきた。

道明寺はあたしの手を繋ぎながら、迷うことなく自分の家に向かって行く。

そして、道明寺家の門をくぐろうとした時、あたしは慌ててその手を離した。

タマさんが見えたからだ。

「おかえりなさいまし、坊ちゃん。

つくしも一緒だったのかい。夕飯は?」

「食ってきた。」

「美味しいクッキーがあるから、つくし食べるかい?」

「あっ、はい!」

反射的に返事をしてしまったあたしに、

「今はいらねーだろ。」

と頭を小突きながら道明寺が言って、強引に腕を引っ張り階段を上っていく。

その背中に、

「まったく、喧嘩はおやめなさいよ。」

と、タマさんの声が響いた。

………………

つくしの腕を引き部屋に入ると、そのままその身体を壁に追い詰める。

暗い部屋の中、見えるのは至近距離にいるこいつの顔だけ。

「道明寺?」

俺を見上げてそう呟くつくしに、

「つくし、……していい?」

と、主語のない言葉を吐く。

「……なにを?」

「恋人っぽいこと。」

その言葉の意味を理解したのか、照れたように視線を逸らす仕草が堪らなくて、

俺は考える余裕も与えずに、唇を重ねた。

初めは軽く。一度離された後に、もう一度。

今度は強く押し当てるように。

不意打ちで奪った高校生の時のファーストキスとは違い、お互いの心が通じあったセカンドキス。

我慢してたのに、一度ラインを超えてしまうと止めどなく溢れるこいつへの想い。

角度を変えて何度も味わううちに、つくしから甘い声が漏れだす。

「どう……みょうじ」

「ん?」

「待って……、」

「待てねぇ。」

本気で嫌がってるなら止めるけど、そうじゃねぇ事ぐらい長年一緒にいれば分かる。

俺の服の裾を握っていたつくしの手を掴み、俺の首に回してやると、さらに密着する2人の身体。

キスだけじゃ我慢できなくて、ソファに移動するため、つくしの身体を持ち上げると、

「キャッ!」

と、叫ぶこいつ。

「タマに聞こえるぞ。」

笑いながら耳元で言ってやると、ハッとした顔で口に手を当て大人しくなる。

「どこ行くの?」

「ソファ。」

「なんで?」

「おまえが小さすぎて腰が痛ぇ。」

小さな声でそう話しながらソファに移動すると、つくしの身体をコロンと寝かせ、俺もその上に覆い被さりながら、

「ここなら、身長差も関係ねーだろ。」

と言って再びキスをせがむ。

このまま、どこまで許されるか……。

もっと深いキスは?

いや、思い切って服の中に手を入れたらどんな反応をする?

そんな事を考えていると、

急に、扉の向こうから、

「坊ちゃん、お茶が入りましたよ。」

と、タマの声がした。

その声に、お互いビクッと離れる俺たち。

今、タマに入ってこられたらまずい。

真っ暗な部屋でソファに2人で寝ている姿は、さすがにヤバイだろ。

慌て起き上がり、

「お、おう。もう少ししたら下におりてくから、用意しておいてくれ。」

そう叫ぶと、

「分かりました。冷めないうちに来てくださいな。」

と、扉の向こうからタマの声がした。

数分後。

部屋を出て階段をおりる途中、つくしが俺の肩をチョンチョンとつつく。

「ん?」

「道明寺……」

「どした?」

「タマさんには内緒ね。」

「あ?」

「あたし達が付き合ってること、内緒ね。」

そう、つくしに言われ、階段途中で立ち止まる。

「理由は?」

「り、理由って……だって今まで兄妹みたいに育ってきたのに、急に付き合ってるなんて、なんか恥ずかしいでしょ。」

「俺的には構わねーけど、」

「あんたはいつだって鋼のメンタルだよね……。

少しは照れたり恥じらったり、そういう事しない訳?ドキドキしてるのあたしだけで、なんか腹立つっ。」

そう言って俺を睨みつけてくるこいつが凶悪に可愛くて、俺は言ってやる。

「さっきのおまえにはむちゃくちゃドキドキしたけどな。」

すると、数分前までのキスを思い出したのか、俺の背中をバシッとど突いてくるこいつ。

「あっぶねぇ、階段から落ちるだろっ。」

「黙んなさいよ、その口っ!」

「おぉー、そういう態度なら内緒にしてやんねーぞ。」

「あんたねぇ、」

相変わらずギャーギャー騒いでいる俺らに、階段下に現れたタマが呆れた顔で、

「ケンカしない日はないのかいあんた達は……」

と、呟いた。

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