おまけ
京都から東京までの新幹線の中。
窓側に座るつくしは、乗ってすぐに眠りに入った。
つくしの隣に座るタマと通路を挟んでその横に座る俺。
その俺の手には京都のゆるキャラである『京丸くん』のキーホルダーが握られている。
手のひらサイズのぬいぐるみの京丸くん。
つくしとプラプラ街を歩いている時に、みやげ屋に置かれたそれを見て
「これっ、可愛い!」と突然つくしが言い出した。
「ダセェ。」
「え、なんで?可愛いじゃん。」
「どこに付けるんだよ。」
「家の鍵のキーホルダーにしようかな。」
「邪魔くせぇだろ。」
「買ってくる。」
俺の忠告なんて聞かずにスタスタとレジに向かうつくし。
その後を、俺も京丸くんを1つ握りしめて追う。
レジで金を払おうとしているつくしの横に立ち、もうひとつの京丸くんを出しながら、
「俺が買ってやる。」
と言って2つの京丸くんを店員に渡すと、
「えっ、道明寺も買うの?」
と、つくしが目を丸くしている。
金を払い終わって店を出ると、俺の方をニヤニヤしながら見て、
「ねぇ、ダサいって言ってなかった?」
と、からかうように言うこいつ。
「ダセェけど、」
「けど?」
「おまえとお揃いなら、まぁ、いーんじゃねぇ?」
俺も大概、素直じゃない。
つくしとお揃いで何かを持ちたいなんて、照れくさくて言えねぇ。
まぁ、ゆるキャラのキーホルダーなんて俺の趣味じゃ全然ねぇけど、たまにはそういうのもいいか。
こいつが可愛いと思うものなら、なんだっていい。
早速、俺のベンツの車のキーに取り付けられた京丸くん。
そのアンバランスさに笑えてくる。
思わずクスッと笑う俺に、タマが
「坊ちゃん、旅行はどうでしたか?」
と聞いてきた。
「ああ、たまにはいーんじゃねーの。」
「それは良かったです。
坊ちゃんが楽しそうでなによりですよ、タマは。」
そう言ったあと、
「つくしと2人で並ぶ姿もお似合いでしたしね。」
と、付け足す。
「あ?」
「どこから見ても、仲の良い恋人同士に見えます。」
その言葉は真剣でからかっているようには聞こえない。
「……タマ、おまえ、もしかして、」
「ええ、知ってましたよ。坊ちゃんたちが付き合っていること。」
「……フッ、マジかよ。」
あれだけ必死に隠していたはずなのに、タマには俺達のことがバレていたとは。
「いつから知ってた?」
「さぁ、いつからでしょうね。
でも、坊ちゃんがつくしを好きなのは、もうだいぶ前から分かっていました。」
そのタマの言葉を聞いて、チラッと窓側で眠るつくしに視線を送ると、
「坊ちゃんがそんな優しい目で見つめるのはつくしだけですからね。」
と、言う。
「……タマ、まさか、昨日の夜も?」
俺たちのことを知っていて、タマは2人きりになるように仕向けてくれたのだろうか。
すると、
「いえいえ、あれは本当におハナさんに誘われたから泊まりにいったんです。」
と、俺の頭の中を見透かしたように、タマが言う。
「タマ、……サンキューな。」
「何がですか、坊ちゃん。」
「旅行のことも、……昨夜のことも。」
全部色んなことをひっくるめて、タマに礼を言うと、
「はいはい。」
と、笑ったあと、
「でも、……」と渋い顔で付け足した。
「ん?」
「ちょっと、疲れさせ過ぎじゃありませんか、坊ちゃん。」
ずっと眠っているつくしを見ながら、
タマが呆れたように言った。
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『京丸くん』は実在しませーん。どんな感じかは皆さんのご想像にお任せしますが、ゆるっゆるのだっさダサでお願いします。
その京丸くんが、司のベンツのキーホルダーに付いているなんて萌えるわ〜笑
