こういう恋の始まり方 14

こういう恋の始まり方
スポンサーリンク

アリーナとの電話を切ったあと、すぐに秘書課へコールする。

「はい、秘書課です。」

「牧野はいるか?」

「あっ、専務。

牧野さんは……、えーと、今席を外しておりまして」

「どこにいるっ?」

苛立ちを抑えずにそう聞くと、

「資料庫に行きましたっ。」

と、慌て答える社員。

それを聞いて俺はオフィスをでて、1つ下の階にある資料庫へ向かった。

大学の図書館を思わせる程の資料が整然と並べられた資料庫。

IT社会とは言え、紙ベースで残しておかなければならないデータも多々あり、フロアの半分を埋めつくしている。

午前中のこの時間は、ほとんど人がいない。広いスペースの中、俺は1列ずつ資料棚の間を牧野を探して歩きはじめた。

かなり奥まで来たところで、両手に分厚いファイルを抱えた小せぇ女を発見。

辺りを見回すと誰もいない。いじめるのにはかなりの好条件。

俺はその獲物にゆっくりと近づき、

「サボってんじゃねーよ。」

と、後ろから小さく声をかけた。

案の定、盛大に驚いたこいつは、持っていた資料を危うく落としそうになり、俺が上手くキャッチ。

「せ、専務っ!」

「シッ!」

声を出すなと制して、資料を床に置くと、俺は牧野の身体を資料庫の1番奥へと連れていく。

ここならカメラもねぇし、他のやつに見つかる心配もない。

何が起こったのか分からないこいつは、俺の顔を見上げながら、

「なんですか?!」

と、小さな声で聞いた。

「おまえのせいだからな。」

「…はぁ?」

「俺とアリーナの写真が撮られた。週刊誌に載るらしい。」

「えっ!!アリーナは?大丈夫ですか?」

驚いてそう聞く牧野。俺はムカついてこいつの身体をジリジリと資料棚に追い詰める。

「おまえは俺の心配はしねーのかよ。」

「それは…、」

「アリーナが俺に好意を持ってるって、おまえ知ってたらしいな。それで?俺たちをくっつけようとして昨日も途中で消えたのか?」

「……。」

「だとしたら、かなりのお仕置が必要だな。」

俺はそう言うと、牧野の身体に覆い被さるようにして唇を奪う。

「…っ!んっ……、専務っ」

抵抗しようとする腕を頭の上にあげて押さえ付けながら、牧野の両足の間に俺の脚を絡ませる。

いつも以上にやらしいキス。音がなりそうな所を、唇ですべて吸収して深く絡める。

手も足も拘束されているから逃げられない牧野は、そのうち身体が崩れそうになってきて、ようやく俺は唇を解放してやる。

「し、信じらんないっ。」

潤んだ目で睨んでも、ただそそるだけ。

「お仕置だろ。」

「なんのっ?」

「俺をアリーナに売った罰。」

「売ったって…、」

「社長もラファエルも、今回の写真が出ればビジネス的にもオイシイと思ってる。アリーナも俺との交際を望んでるから構わないって。

おまえは?どう思う?」

牧野の耳元でそう聞いてやると、牧野は数秒目を泳がせたあと、

「あたしには関係ないことなので。」

と予想通りの答え。

だと思ったよ。おまえはそうやっていつもクールに言いやがる。

俺たちの関係は無かったことにって。

それが無性にムカついて、俺は再びキスをする。

「クチュ…ンッ…ハァ……」

マジで気持ちいい。

これがいい雰囲気の二人なら言うことねーのに、実際はバタバタ暴れ出す女相手だから、こっちも力づく。

「ちょっ!変態っ!」

「声がでけぇ。誰かきたらやべーぞ。」

「ヤバいのは専務ですっ。」

普段は冷静沈着な秘書の牧野が、こうやって乱れ出すとますます俺の大好物。

牧野の右耳の下を軽く甘噛みしながら、

「俺とアリーナが付き合ってもいーのかよ。」

「……ンッ…別に…」

「ヤダって言わねーと、このままこの場で裸になるまで続けるぞ。」

本気じゃねーことくらい分かってるだろバカ。それなのに、拘束されてる脚を思い切っ切り伸ばして俺をケリつけるこいつ。

「いってぇ。」

「痛いじゃないわよ!これ以上やったら警察行きだからねっ。」

乱れた服を直しながら、俺を思いっきり睨んでくるこいつ。

と、その時、

遠くで扉が開く音がして、

「専務、いらっしゃいますか?」

と、西田の声がした。

同時に、目を合わせてヤバいという表情をする俺たち。

隠れていても仕方がない。

そろそろ仕事に戻る時間だと観念して、資料棚の影から出ていこうとする俺。

その腕を牧野が掴んで言った。

「付いちゃった。」

なんの事か分からずにこいつの目をのぞき込むと、

牧野は俺の唇を触りながら、俺にしか聞こえない程の小さな声で、

「あたしのリップが付いちゃった。」

と、気まづそうに言う。

その仕草に、多分俺の顔は西田に見せらんねぇほど赤い。

つい数分前まで、警察行きになってもおかしくない事をしてた男に、これは反則だろバカ。

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村

ランキングに参加しています。応援お願いしまーす✩.*˚

タイトルとURLをコピーしました