絡まる赤い糸

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絡まる赤い糸 27

年が明けて俺は東京へ戻っていた。 年末に俺と親父の二人揃って東京にいなかったことにババァが少し怪しんでいる様子だったが、向こうからは何も言ってこない。まだつくしのことはバレていないようだ。 そして、ロスにいる間何度も希美から着...
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絡まる赤い糸 26

姉ちゃんの家を出たのは22時を回った後だった。 親父との話し合いが終わったあと、つくしと姉ちゃんは2人書斎に残り5年分の空白を埋めるかのように話し込み、残った男たちは心愛と冬李が遊ぶ姿を目を細めながら見つめていた。 そして、今...
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絡まる赤い糸 25

時計の針が19時を回った頃、マンションに司の車が迎えに来た。 これから椿さんの家でお父様と話をすることになっている。冬季を一人で置いていけないし、ベビーシッターの花江さんはすでに年末の休みに入っている。 どうしようかと迷ったが...
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絡まる赤い糸 24

なんて私は淫らで不品行でふしだらな女なんだと考えながらも、濃厚に重なる唇の気持ちよさに抵抗もしないまま身を委ねる。 司の息遣いとクチュクチュと鳴る音が身体を痺れさせ、ここが普通の部屋なら間違いなくあたしたちは重なり合いその先へ進んで...
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絡まる赤い糸 23

「好きで好きで堪らなかった女と離婚して、それでも何年も何年もその女が忘れられなくて、そんな状態で他の奴と結婚なんてできねーだろ。また失敗するに決まってる。だから、懲り懲りだ。俺にはまだ忘れられねぇ女がいるから。」 口に出してみると、...
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絡まる赤い糸 22

あれから30分がたった。 つくしは今、ドクターから冬季の検査結果の詳しい説明を聞くため、救急室から離れた場所へと連れていかれまだ戻ってきていない。 俺の頬を引っぱたいたつくしの目は完全に怒っていた。もちろん、騙すようなことをし...
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絡まる赤い糸 21

司様から重大な任務を2つ授かった。 ひとつはそれほど難しいものではなく、スピードが重視なので早速取り掛かることにする。 この病院から30分ほどのところに道明寺家が所有するプライベートジェット用の滑走路がある。 司様の父で...
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絡まる赤い糸 20

冬季のぐったりした様子を見た瞬間、血の気が引き地面がぐらりと揺れるようなふらつきを覚えた。 かなり動揺していた。手足が震えるのがわかった。けれど、つくしは違った。 携帯を取りだし救急車を呼んだあと、震える声で「大丈夫、今助けに...
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絡まる赤い糸 19

「ママへの誕生日プレゼントでしょ?」 冬季にそう言われ、ハッとする。 今日は12月28日。つくしの誕生日だ。 一瞬気まづそうな表情をしてしまい、 「時差で曜日感覚がズレてんだよ、今日が何日か…」 と、言い訳を...
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絡まる赤い糸 18

「この件には口出しするな。」 親父からそう冷たく突き放されて、激しい頭痛を抱えながら一夜を明かした。 もうロサンゼルスにいる意味が無くなった。つくしとは5年前に終わったのだ。何を今更蒸し返そうとしているのか。 何度も自問...
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