総務課の牧野さん

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総務課の牧野さん 54 最終話

あれから2年後。 「牧野さん、配送先のファイルってこれでいいの?」 「はい。こっちが新しいので、それより古いのはこれです。」 「牧野さーん、資料室の分類表は?」 「それは、共有ファイルの『資料室』を開けるとあります...
総務課の牧野さん

総務課の牧野さん 53

二人で向かったババァの書斎。昨日の姿が嘘のようにいつもの姿のババァがデスクに座り待ち構えていた。 ソファにはねーちゃんもいる。 「つくしちゃん、おはよう。気分はどう?」 「おはようございますっ。昨日は……ご迷惑おかけしま...
総務課の牧野さん

総務課の牧野さん 52

朝、目覚めて熱いシャワーを浴びる。濡れた髪をタオルでふきながら、冷たい水を一杯飲む。今日、着ていくシャツとネクタイを決める。 そこまではいつも通りだけど、今日は少し違う。それは、俺のベッドにあいつが寝ていること。 昨日、酔い潰...
総務課の牧野さん

総務課の牧野さん 51

報告書に目を通したあと、ババァの書斎に向かった俺は、イライラの限界に達していた。 「どけろっ。」 「出来ません。」 「てめぇら、誰に言ってるのか分かってるのかっ!」 「社長の命令で、誰も中に入れるなと言われています...
総務課の牧野さん

総務課の牧野さん 50

椿さんに手を握られながら、連れてこられたのは楓社長のプライベート部屋。 白と黒を基調にした落ち着いた雰囲気のそこは、思ったよりも温かみがあって、意外にも女性らしい飾り付けなどが施されていた。 「そこに座ってて下さる?私は着替え...
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総務課の牧野さん 49

「道明寺っ!」「つかさっ、やめなさいっ!」牧野とねーちゃんの声が部屋に響く。 その声も虚しく、俺の足元には唇を赤く腫らした西田の姿。 スパイがこいつだと分かり、俺は容赦なく殴った。西田が俺の秘書になって5年、今まで築き上げてき...
総務課の牧野さん

総務課の牧野さん 48

「怖いか?」 ババァが明日日本に戻ってくる。邸で会うことになっている。牧野をババァから守りたい。 「あたしは……大丈夫。道明寺は?」 「俺?…………ビビってるかもしれねぇ。」 「プッ……でしょ?だって、怖い顔してる...
総務課の牧野さん

総務課の牧野さん 47

きっかけは、長年道明寺の専属デザイナーとして仕えてくれている靴職人の一言だった。 「そろそろ司様もご結婚ですか?」息子にそんな素振りもなかっただけに、 「浮いた話の一つもないわ。」そう答えた私。 「……そうですか。4年前...
総務課の牧野さん

総務課の牧野さん 46

牧野の両親と別れたあと、ねーちゃんと一緒に邸に戻った俺ら。3人でダイニングで食事をすることになり、一旦着替えるために部屋に戻ってきた俺。もちろん、牧野も一緒に連れてきた。 「課長から急に会社に戻るように連絡があって、慌てて戻ったらお...
総務課の牧野さん

総務課の牧野さん 45

「ねーちゃんっ!」突然のことに、他の客のことも忘れて叫ぶ俺に、 「司、他のお客様に迷惑よ。」なんてのんきに言いやがる。 「どうしてここに、ねーちゃんがいんだよっ」 「ん、色々とね。それよりも、司、先にご挨拶させてよ。」そ...
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