僕らの時間 僕らの時間 13 次の日、大学内の食堂で遅めのランチを取りながら、昨夜の自分の行動を思い出していた。 昨日初めて会った男の人の車に乗り込み、家の前まで送ってもらい、22時をすぎた遅い帰宅。「また会おうと」と言われ笑顔で手を振り見送った。 相川先... 2023.06.22 僕らの時間
僕らの時間 僕らの時間 12 約束の7時。 待ち合わせ場所の店に行くと、相川先輩の他に2人男の人が座っていた。 どうやら、体格から見て同じラグビー部の仲間だろうと察しがつく。 お互い軽く自己紹介を済ませ、飲み物をオーダーしている間に、先輩から目的のテ... 2023.06.21 僕らの時間
僕らの時間 僕らの時間 11 入学して2ヶ月がたった。 ようやく大学生活に慣れ、周りでは飲み会やコンパが頻繁に開かれている。 先日、道明寺が「こいつ、俺の彼女だから。」と唐突に宣言して以来、あたし達の付き合いは大学内で周知の事実となってしまった。 お... 2023.06.19 僕らの時間
僕らの時間 僕らの時間 10 『僕らが大学1年目の春』 晴れてあたし達は大学生活をスタートさせていた。 あたしは教育学部、道明寺は医学部で同じ英徳大とはいえキャンパスが違う。 普段は全く顔を合わせる機会はないけれど、週に一度の木曜日は、教育学部の大講... 2023.06.16 僕らの時間
僕らの時間 僕らの時間 9 それから2ヶ月後の2月下旬。 リビングでぼぉーとテレビを見ていた日曜の午後。 「姉ちゃん、今日もそうやって一日中ゴロゴロして過ごすつもり?」 「…………。」 何も言い返さないあたしに、 「まだ道明寺さんと喧嘩... 2023.06.14 僕らの時間
僕らの時間 僕らの時間 8 久しぶりに茶道部の部室に来た。 今日は部活は休み。後輩たちは誰も居ないけれど、 部屋に入るなり、 「おー、来たか。」 と、西門さんが声をかけてくれる。 「何してるの?」 「茶器をそろそろ新しいものに変え... 2023.06.12 僕らの時間
僕らの時間 僕らの時間 7 あの日以来、俺たちの関係はギクシャクしている。 登校時間を早めたり、学園でも会わないようにしたりと、俺はつくしに完全に避けられている。 それで、落ち込んでるか? いや、逆にむしろスッキリした。 長年抱いていた『幼な... 2023.06.10 僕らの時間
僕らの時間 僕らの時間 6 総二郎が言った言葉が頭から離れなくて、その日の夜つくしにメールを送った。 「少し話せるか?」 「窓。」 つくしからのその返事を見て、俺は部屋の窓を開ける。 すると、いつものようにあいつの部屋のカーテンが開き、顔を出... 2023.06.08 僕らの時間
僕らの時間 僕らの時間 5 『僕らが高校3年生の秋』 受験を控えた俺ら3年生。 英徳学園の生徒は6割がそのまま英徳大学へと進み、あとの4割が留学や他の大学へと進学する。 誰もが数ヶ月後の試験を前に、ピリピリとした雰囲気を出す中、俺も例外じゃなく神経... 2023.06.06 僕らの時間
僕らの時間 僕らの時間 4 映画の試写会当日。 あたしは茶道部の仲間と待ち合わせるため上映時間よりも早く家を出た。 街でプラプラと買い物をしたあと、ファストフード店でお喋りをしながら軽く食事をしていると、 「ねぇ、あれって道明寺司じゃない?」 ... 2023.06.04 僕らの時間