不埒な彼氏 不埒な彼氏 23 道明寺に連れられてタクシーに乗り込むと、いつの間に覚えたのか運転手にあたしのマンションの住所を告げる道明寺。 いつもは地下鉄か道明寺邸の広い車に乗っているせいかタクシーの狭い空間に密着して乗るのは落ち着かない。 「ねぇ、……さ... 2022.04.08 不埒な彼氏
不埒な彼氏 不埒な彼氏 22 約束の日曜日。久しぶりにF4と優紀とあたしで西門さん行き付けのお店に集まっていた。 西門さんに会える日はハイテンションの優紀。お酒の量もいつもより増えて目が離せない。だから、このメンバーで飲むときはいつもあたしはほとんど飲まないよう... 2022.04.04 不埒な彼氏
不埒な彼氏 不埒な彼氏 21 「司とより戻したの?」 「バカなこと言わないでよっ。」 「そーなんだ。俺はてっきりまた付き合い出したのかと思ってたけど。」 「花沢類、あたしはそこまでバカじゃないの。2度も騙されたんだから3度目は引っ掛からないよ。」 ... 2022.04.01 不埒な彼氏
不埒な彼氏 不埒な彼氏 20 牧野の腕を掴み地下鉄の改札へと連れて行く。「どこまでだ?」そう聞くと、「なにがよっ。」と、睨むこいつ。 「家まで送ってく。」 「いらない。」 「なら教えなくてもいいけど、付いていくぞ。」 「はぁ?ストーカーで警察に... 2022.03.29 不埒な彼氏
不埒な彼氏 不埒な彼氏 19 「そろそろあたし行くね。」 「うん、牧野またね。」 30分ほどで席を立ち帰ると言う牧野に、類もあっさりまたねと手をふる。 呆気に取られながら牧野が店を出ていくのを見て、「おいっ、類。またねじゃねーよ。なんで送っていかねぇ... 2022.03.25 不埒な彼氏
不埒な彼氏 不埒な彼氏 18 大学の卒業式。その夜、行き付けの店でF4揃ってまったりと時間を過ごしていた。 「俺らの青春も終わったな。」 「なんだそれ。」 「だってよ、ここからはひたすら40年働かなきゃなんねーんだぞ?」 「総二郎の口からそんな... 2022.03.22 不埒な彼氏
不埒な彼氏 不埒な彼氏 17 姉ちゃんが1年ぶりに帰国した。NYでは顔を会わせていたが、姉ちゃんが日本に帰って来るのは1年ぶり。 「司、いよいよ卒業ね。卒業したら、あんた死ぬまでお母様にこき使われるわよ~。」 「笑えねぇ冗談やめろ。」 「冗談なんかじ... 2022.03.19 不埒な彼氏
不埒な彼氏 不埒な彼氏 16 あの日から牧野は完全に俺と距離を取った。電話も出ねぇ。バイトもかなり減らして勉強に時間を費やしてるらしい。そして、引越ししないはずだったマンションも引越していた。 どれもこれも類からの情報で、そのことにも腹が立つ。「なんでおまえはそ... 2022.03.16 不埒な彼氏
不埒な彼氏 不埒な彼氏 15 道明寺邸を出てからもあたしの携帯は鳴りっぱなし。相手は見なくても分かる。 バイトも勉強も、今日一日は全部休むつもりでいたから、行くところもなく途方にくれたあたしは、結局こんなときでさえバイト先に足が向かっていた。 休み... 2022.03.14 不埒な彼氏
不埒な彼氏 不埒な彼氏 14 「こんな無駄なこと、終わりにしよう。」 そう、こんなあたしたちの関係は『無駄なこと』以外なにものでもない。あまりにも一方的すぎるこの恋は、まだ片想いの方がましなのではないかとさえ思う。 目の中に溜まった涙が、ベッドから立ち上が... 2022.03.10 不埒な彼氏