こういう恋の始まり方 25

こういう恋の始まり方

牧野が運ばれた病院へ行くと、個室の前にアリーナが佇んでいた。

「アリーナ。」

「…司…」

「牧野は?」

「今、手首の処置中なの。」

病室を見ながらそう言ったあと、俯いて目に涙を溜める。

そして、一言

「ごめんなさい。」

と言った。

牧野が階段から落ちた理由は詳しく聞いていなかったが、落ちた直後に『私のせいで…』と言ったアリーナの言葉がずっと引っかかっていた。

「アリーナ、何があった?きちんと説明してくれ。」

コクンと頷いたあと、

「実は、ある人から執拗に交際を迫られていて…」

アリーナの話によれば、パーティーで何度か顔を合わせた男と連絡先を交換した。

人当たりもよく、優しい雰囲気に気を許したという。

最初はとりとめのない会話のやり取りだったのが、そのうち一日に何十件と連絡が来るようになった。

さすがに怖くなり、返信をやめていた頃、

俺とアリーナの写真が雑誌に載った。

それからは、男の態度が豹変して「俺とは遊びだったのか?」と怒り、ストーカーのように付きまとわれるようになったそう。

「警察には?」

「話したわ。警察から彼にも話してもらったし、私にもパパがSPを付けてくれてたの。

それで彼からの連絡も無くなり安心してたのに…」

「今日、そいつが居たんだな?」

「そう。

会場を出たところで待ち伏せされていて、会いたくなかったから急いで階段まで逃げた。そしたら彼も付いてきて、あたしの腕を掴んできた。」

「牧野はそばにいたのか?」

「あたしが…つくし助けてって叫んだの。

だから……。」

両手で顔を覆うアリーナ。

その時、病室から看護師が出てきて、

「処置が終わりましたので中へ入ってもいいですよ。薬が効いて少し眠くなると思いますので、あまり長居はしないでくださいね。」

と言い、頭を下げて離れていく。

中へ入ろうとする俺。

その背中に、アリーナが言う。

「司、私は帰ります。

警察に事情を説明しに行かなくちゃならないし……、」

そう言ったあと、何となく寂しそうな表情で言った。

「っていうのは口実で、……今は司とつくしの2人きりにした方がいいわよね。司のあんな必死な姿見せられたら、認めざる得ないし。司がつくしを大切に想っている事を。」

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こういう恋の始まり方 25 - 司一筋
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