こういう恋の始まり方 5

こういう恋の始まり方

「牧野、俺が身体洗ってやる。」

そう言って後ろから抱きしめると、急激に自分の下半身が反応してくる。

「せ、専務っ、」

焦るこいつの言葉は無視。
身体を俺の方に向けさせ、泡々になっているスポンジを肩から乗せていくと、

「あたし、もう洗いました。」
と、顔を赤くしてそのスポンジを俺の胸に当て返す。

「じゃあ、代わりに俺の洗って。」

「えっ!?」

「そんなに驚くことじゃねーだろ。」

「だって!·····あたし、こういうの初めてだし。」
恥ずかしそうに目をそらす牧野に、堪らずに俺はキスをする。

バスルームにクチュクチュとヤラシイ音が響き渡るうちに、ふと気付く。

「おまえ、寒くねぇ?身体つめてぇ。」

「大丈夫ですけど、」

「風邪ひくぞ、」
俺はそう言うと、こいつの手を取り、お湯がはられたバスタブに一緒に入った。

俺の足が伸ばせるくらいの広いバスタブ。
そこの両端に背をつけてお互い向き合う形で座る。

正面から見るこいつは、相変わらず小せぇ。
牧野に対する第一印象も『華奢な女』だった気がする。
それなのに、いざ話してみると、真っ直ぐで強くて芯があって、
··········そこに俺は惹かれていたのかもしれない。

「専務、今日は仕事早く終わったんですか?」

「ああ。ラファエルがフランスに戻ったから、ようやく少し余裕が出来た。」

「ですね。半年間お疲れ様でした。」

ババァのピンチヒッターとして日本に来て、フランス老舗ホテルとの業務提携を無事に成し遂げて、そろそろ俺の役目は終わった。

「久々の日本も悪くねぇな。
やっぱ料理は上手いし、仕事もルーズじゃねぇからやり易い。
それに、·····」

そこまで言って牧野にニヤッと笑いかけると、
「それに?」
と、不思議そうに俺を見つめる。

「こういう事も出来るしな。」
そう言うと、正面に座る牧野の腕を引っ張り俺の方へ引き寄せる。

「キャ·····」

俺の股の間に座らせると、そろそろ本番に行きたい欲が溢れ出し、濃厚なキスを仕掛ける。

湯船でだいぶ温まった牧野の身体に手を這わせ、胸を揉むと恥ずかしいのか俺の肩に顔を埋めるこいつ。
そういう仕草が男を煽るという事を知らねぇからタチが悪い。

少しだけ身体を持ち上げて、胸の頂きを口に含むと、
「ンンッ·····」と甘い声が盛れる。

もっとその声が聞きたくて、指を牧野の中心へ。
指先にヌルッとした感触が伝わり内心ほっとする。
こいつもちゃんとカンジテくれてる。

「牧野、そろそろベッドに行こうぜ。」



ベッドに牧野の身体を寝かせると、俺は迷わずに足元へと移動した。
そして、ゆっくりと両膝を割り、中心に顔を近付けた。

「やっ!専務っダメっ。」
秘部に顔を近づける俺に、牧野は足を閉じて逃げようとするが、
そう簡単には逃がさねぇ。

舌を出してそこをひと舐めすると、身体をビクッとさせて反応する。
もう一度、もっと深く、もっとヤラしく·····。
そのうちに牧野の身体から力が抜けていき、トロトロとした液が溢れ出す。

「専務っ、ダメ·····」

「なんでだよ、」

「んっ、だって、恥ずかしすぎる。」

確かにこの光景は女からしたら恥ずかしいだろう。
しかも、2回目の行為で。
俺だって今までの経験上、ここまでした事はないし、したいと思ったことも無い。

今まで舐めていた所は唾液と愛液でたっぷりと濡れている。
そろそろお互い準備万端だ。

今日はリベンジ、最後まで·····。




ひんやりとした空気に身震いして目を覚ますと、隣には裸のまま眠る牧野の姿。
リベンジは成功した。それどころか2回戦目を要求してこいつを疲れさせた自覚はある。

ベッド脇にある時計に手を伸ばすと、朝の5時。
仕事は休みだが、もう少しすると街に人が出てくる頃だろう。

「牧野。」
そっとこいつの耳元に声をかける。

「ぅーん。」

「牧野、そろそろ起きれるか?」

「·····何時ですか?」

「5時だ。早めにここを出た方が人目につかねぇだろう。」

「そうですね。」

身体を起こし、キョロキョロとベッドの周りを見た牧野は、
「専務、少しの間向こうむいていてください。」
と、ホテルの入口の方を指さす。

「あ?」

「着替えたいので、恥ずかしいからお願いします。」

昨夜はあんな事もこんな事もして、散々俺に身体を見られたというのに、それでもまだ恥ずかしいのか。

言われるがまま反対の方を向き俺も着替えをすると、少し遅れて牧野も用意ができたようだ。

2人とも部屋の入口に立つと、なぜか妙な雰囲気に。
お疲れ様?いや、また今度な?いやいや、こういう時はなんて声をかけて部屋を出るべきなのか、

そんな事を考えていると、先に口を開いたのは牧野だった。

「専務、ありがとうございました。」

「ん?」

「あたしのおかしなお願いに付き合ってもらって、ほんとにすみませんでした。」

ぺこりと頭を下げるこいつ。
そして、今度は真っ直ぐに俺を見つめて言った。

「来週、専務がNYに戻ったら、あたしたちもう二度と会うこともないと思います。この扉を出たら、お互い何も無かった事にしましょう。」

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