俺の彼女 2

俺の彼女

牧野が言う『秘密の関係』というものに、F3のヤローたちは大爆笑。

「話しかけるなって言われたのかよ。」

「ああ。
他人のふりをしろだってよ。」

「ぶっ……、ただでさえ牧野欠乏症のおまえに、それは酷だよなぁ~。」

そう言いながらも、すげぇこの状況を楽しんでやがるこいつら。

でも、そんな「秘密の関係」に俺が黙って従うと思うか?

「道明寺っ、」

「やっぱここにいたのかよ。」

キャンパス内にある演芸ホール。
学生のサークル活動やプロを招いたコンサートなど多岐にわたり使われるそこは、普段使われていないときは派手な照明が落とされて間接照明だけがたかれている静かな空間。
牧野はこのホールの客席に座り、講義の合間によく勉強をしている。

「講義、終わったの?」

「ああ。おまえは?」

「午後からもうひとつ。」

「なら、少し時間あるな。」

そう言って牧野が座る座席の隣に腰を下ろす。

「誰か来たらどうすんのよ。」

「来ねーよ。
今日は誰もここ使う予定がねえって係員が言ってた。」

「聞いたの?」

「ああ。
おまえとの時間邪魔されたくねぇから、誰も入ってくんなって脅しといた。」

「はぁ?」

薄暗闇のなかでも牧野の呆れた顔が分かる。
そんな顔でさえ可愛いと思っちまう俺は、隣に座る至近距離のこいつの顔をじっと見つめていると、その先を想像したのか、照れたように慌てて目線をそらす牧野。

「逃げんじゃねーよ。」

「は?」

手元のノートを見ながらとぼけるこいつの肩に腕を回し、ぐいっと俺の方に引き寄せると、

「道明寺っ、」
と、焦る仕草がめちゅくちゃツボる。

「誰も来ねーから、してもいいだろ?」

「はぁ?」

「最近してねーだろ。」

「ちょっ……なに言ってんのよ。」

「いいだろ?」

聞いておきながら、イエス以外の言葉は受け付けねぇとばかりに顔を近づける俺に、照れたときに見せる牧野の困った顔が堪らない。

軽く唇を重ねると、抵抗せずおとなしいこいつに、我慢してる俺も限界。

軽く合わせるだけのキスは徐々に深くなり、静かな空間に響く水音と牧野が時々漏らす声に、キスだけじゃ足りなくて、自然と手が動きはじめる。

頬に添えてた手は徐々に下りていき、なだらかな胸の膨らみに差し掛かかると、ピクッと牧野が反応したが、それでもいつもみたいに暴れることはねえ。

それを肯定と受け取った俺は、さらに手を膨らみの上に乗せ軽く揉むと、その予想以上の弾力と柔らかさに俺の体がやべぇ。

ここまで触らせてもらったのは初めてだ。
今まではキスどまりで、ようやく最近そのキスもディープなものに慣れてくれた牧野。

「講義、休めよ。」

「えっ、……ダメ。」

「俺の部屋に行こうぜ。」

「クスッ……無理だって。」

俺にもそろそろ春が来そうだ。
焦るつもりはねぇけど、
牧野のすべてが俺を刺激する。

「牧野、……もう一回……」

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