小話(司VS甘えるつくし2)

小話

二人でマンションに帰る途中、近くの小さなスーパーで夕食の買い出しをする。
前にもここで二人で買い物をしたことがあり、その時俺はちょっとした失敗をした。

普段からブラックカードと少しの現金しか持ち歩かねぇ俺は、こんな小さなスーパーではカードが使えねえってことを知らなくて、牧野に払わせるという痛い失態をおかした。

牧野は
「なに言ってるの?あたしの家の食材なんだから、あたしが出すのが当たり前でしょ」と、
相変わらずの反応だったが、それから俺は常に財布には現金をいれて持ち歩くことにした。

今日はもちろん、こいつに払わせる気はねえし、牧野の家の食材になるならと、かごにバンバン高級食材を入れていく俺。

一房2000円弱の牧野に言わせれば高級フルーツをかごにいれた俺に、
「道明寺、ぶどう好きなの?」
と、見上げてくる牧野。

レジで軽く押し問答をした俺たちだが、
「男に恥かかすな。」
俺の一言で牧野は引き下がり、現金で払う俺に、
「ありがと」と、微笑んだ。

マンションにつき、牧野は食材を冷蔵庫にしまうと、「着替えてくる」と、奥の部屋に入っていった。
俺はその隙に冷蔵庫から牧野が買い置きしてくれているビールを取り出してリビングに戻ろうとしたその時、ふと手元からビールの缶がすべり、床にガタンと派手な音をたてて落ちた。

その瞬間、奥の部屋にいる牧野が、
「キャッ!!道明寺?!」
と、でけーこえをあげる。
その声がいつもの牧野らしくなくて、俺は慌てて奥の部屋へむかい
「どうした?大丈夫か?」
と、声をかけると、着替えの途中で下着姿のまま床に座り込んでいる牧野。

俺は牧野に近寄り、抱き寄せて背中をさすってやると、
「さっきの音、なに?」

「あー、ビールの缶を床に落としたんだ。
わりぃ、驚かせたか?」

「…………よかった。」

「おまえ、…………やっぱ今日、何かあったろ?」

「ううん。何もないよ。大丈夫。」

まるで自分に言い聞かせるように話す牧野。
何かあったのは確実だ。
こういう時のこいつに無理矢理聞き出そうとするのは逆効果だってことはわかってる。
それなら、こいつが落ち着くまで、不安がなくなるまで、黙って側にいてやる。

しばらく背中をさすってやると、牧野も落ち着いてきたようで、今の状況をようやく理解したようだ。
自分が下着姿で俺に抱きついてるってことを。

「道明寺っ、あたし着替えるから向こうの部屋に行っててっ!」

「あ?おまえこわいんだろ?
おれが付いててやるから、ここで着替えろ。」

「いえ、もう大丈夫です。
お気遣いなくっ!」

腕を交差させ、胸元を隠そうとしているつもりなんだろうけど、かえって胸が中央に集まって、やらしい姿になってるってことをわかってないこいつ。

まぁ、今日はゆっくりしていくつもりだし、食事の後でも堪能するか…………と、考えながら、リビングに戻ろうとした時、牧野が俺の腕を掴み待ったをかけた。

「道明寺、…………今日、泊まっていける?」

…………軽く目眩がする。
薄暗い部屋で、下着姿で惚れてる女に言われるこの言葉。

「おまえが泊まってけって言うなら、泊まってやってもいいぞ。」

いつもはぜってー言わねぇこんな台詞も今日なら通用すると期待して、投げかけてみると

「うん。泊まってって。」
と、甘えた声が返ってくる。

ここまでくると、今日こいつに何かあったのは確実だ。それが、こいつを不安にさせてる。
けど、牧野がこんなに甘えてくるのはめったにねえ。
だから、牧野にはわりぃけど、俺はもう少し甘える牧野を味わいてぇ。

それから、それから、ちゃんと話を聞いてやるからな…………。

つづく

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