小話(司VS甘えるつくし1)

小話

つくし←看護師設定です。

………………

俺の彼女は、意地っ張りで負けず嫌い、俺限定で乱暴もしてくるし、口もわりぃ。
そして、なんと言っても甘えるっつーことを知らねぇ女。
でも、俺はそんなこいつにめちゃくちゃ惚れている。

常々、もっと甘えて欲しいと思ってるし、口にも出しているが、
「甘えるシチュエーションにならないっ。」
と、いつも鼻で笑う牧野。
俺はおまえにとって頼りないか?
金も権力も包容力もあると自負してる俺は、おまえにとってどう映ってる?
そんなことを問うと、
「あんたの問題じゃないの!あたしの性格の問題だからっ。」と。

そんな、甘えることを知らねぇ牧野から、今日昼過ぎに携帯に電話が来た。
日中、俺が仕事をしてる間に、こいつから連絡がくること自体珍しいことだったが、今日はメールじゃなく電話だ。

会議中だった俺は一瞬迷ったが、もちろん仕事よりも牧野優先。
後ろにたつ西田が渋い顔で俺を見てくるが、
「10分休憩だ。」
そう言って、俺は席をたつ。

「もしもし?」

「あっ、道明寺?ごめんね仕事中に。」

「大丈夫だ。どうした?」

「あのね、今日って……何時ごろ終わる?」

「おまえの用件次第で仕事はなんとでもなる。」

「いやっ、そんなたいしたことじゃないんだけど……。今日、もしも8時頃終わるようだったら……会える?」

「ああ。終わらす。」

おまえに会うために日々仕事してんだよ、俺は。
あまえから会いたいって言われれば、答えは即答だろ。

「そしたら、仕事終わったら連絡くれる?」

「ああ、わかった。」

いつもなら、そこで牧野からプツッと切れるはずの電話だが、

「あのね、道明寺。………………」

「どうした?」

「病院まで迎えに来てもらえない?」

いつも、勤務先の病院には近づくな、同僚には彼氏が道明寺だとバレたくないだの、結構俺が傷つくことをバンバン言ってくるこいつから、迎えに来いと言ってくるのははじめてだった。
もちろん行かない訳がない。
ここで何かを言って、牧野の気分が変わるのは避けたい。

「ああ。迎えに行く。
仕事終わったら電話するから、そこで待ってろ。なるべく早く終らせて行く。」

「うん。待ってるね。」

明らかにホッとした声を出す牧野が可愛くて、
「愛してる」と言うのを忘れない。

いつもなら、仕事の予定変更をすると、小言を言ってくる西田も、牧野が相手だと
「わかりました。」の一言でスケジュール調整に入る。

西田といい、姉ちゃんといい、タマといい、どうして俺のまわりのやつらは、俺に対するよりも牧野に甘えーんだよっ。

牧野が勤める病院の前に、ちょうど8時に着いた俺は、あいつの携帯に連絡する。
職員玄関から姿を見せた牧野は、すぐに俺を見つけ小走りで車にかけより、助手席に乗り込むと、
「道明寺、ごめんね!忙しかったでしょ。」

「いや、大丈夫だ。
たまには、こういうことさせろ。」

その言葉に少し顔を赤くして、
「ありがと。」と呟く。

「それより、おまえから珍しいな。
何かあったのかよ。」

「ううん。何もないよ。
ごはんは?もう食べた?あたしお腹ペコペコ。
何か買っていこうか?それともどこかで食べていく?」

こいつが饒舌なのは何かを隠してる証拠。
「何があった?」
途端に不安になる俺に、

「ほんと何もないよ。
…………道明寺、何食べたい?」
ケロッとした表情からはあまり深刻さも伝わってこねーから、いいとするか。

「ハンバーグ。おまえの作るハンバーグ。」

「あぁ、あれ?ケチャップのやつ?」

「ああ。あのビンボーくせぇやつ。」

ちょっと!って言いながら、ケラケラ笑う牧野。

邸のシェフが作る本格デミグラスソースのハンバーグよりも、こいつが作るケチャップと『とんかつソース』とかって言う怪しいネーミングのソースを混ぜた、牧野特性ハンバーグが時々無性に食いたくなる。

「じゃあ、途中で買い物していってもいい?
お米もなくなりそうだから、買おうかな。
道明寺持ってくれる?」

仕事で疲れてんのに、俺のリクエストに笑顔で答えてくれるこいつが愛しくて、運転しながら右側に座る牧野の手を握ると、こいつもギュッと握り返してきて、そのまま手を繋ぎながら夜の町を運転した。

久しぶりに牧野に甘えられている。
そんな満足感で俺の心が満たされていく。

でも、この時点の俺はまだ知らなかった。

牧野の本気の甘えが、どれだけ破壊力があるかっつーことを。

つづく

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