小話(頑張る総二郎2)

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小話9の続きです。

………………………………………

道明寺はあれから20分ほどでお店に来た。

その頃にはあたしは完全に酔っ払い。
道明寺がいつも『2杯までにしておけ』という意味がやっと分かる。

あたしの顔を見るなり、
「俺のいない所で呑ますんじゃねーよ。」
と、西門さんに軽く蹴りを入れたあと、あたしの横にドカッと座った。

「どんだけ呑んだ?」

「…3杯。」

「ったく、相手が総二郎じゃなきゃ説教もんだぞ。」

「ごめん。」

さすがに自分でも酔ってることが分かるだけに、ここは素直に謝るしかない。

道明寺の腕に自分の腕を絡ませながら店を出ると、プライベートで道明寺が乗っている車が店の前に停められていた。

「おまえも乗ってくか?」
西門さんに道明寺がそう聞くと、

「いや、俺はいい。もう一つ約束があるからよ。」
と、相変わらずの返事をして笑いながらあたしたちを見送ってくれた。

「道明寺、こんな時間にごめんね。」

助手席から運転する道明寺にそう言うと、
無言でこの人はあたしの頭をクシャッと撫でた。

運転する横顔も、慣れた手付きも、どれも相変わらず見惚れるほど格好いい。

そんな道明寺をじっと見つめるあたしに、
「どうした?」
と、チラッと視線を向ける。

「道明寺、……西門さんがね……」

「総二郎が?」

「西門さんが……、」

あんたにちゃんと想いをぶつけろって。
道明寺は凄く喜ぶって。
ほんと?

そう心の中で呟く。

あたしのマンションについた頃にはもう12時近く。
明日も仕事だって分かってるけど、このままこの人と離れたくない。

鍵を開けて玄関に入ったところで、
「道明寺…」
と、小さく呼んだ。

「ん?どうした?具合悪いか?」

「違う。
今日、……泊まっていける?」

「……牧野?」

いつもあたしからこんなお誘いしたことはない。
あたしがする前に道明寺が強引に決めるから。
でも、今日はちゃんと言葉にして、

「泊まっていける?」
と、もう一度聞く。

「ああ。」

その返事と共にいつものように優しいキスが降ってきた。
初めてしたキスは何年前だっただろう。
でも、あの時と変わらず道明寺のキスはいつも優しい。
あたしに合わせてくれてるのが分かるキスに、今日はあたしもきちんと答える。

薄く開いた唇から道明寺の舌がすべりこんでくる。
それだけで全身が痺れてくるのは酔ってるだけだからではない。

道明寺の首に腕を回し、口内をねっとりと動き回る道明寺の舌に身を任せていると、一度唇を離した道明寺が、

「今日のおまえ、いつもと違うな。」
と、呟いた。

「……別に。」

「なんか、いつもより積極的じゃねぇ?」
からかう様に言った道明寺は、次に言ったあたしの言葉で一気に怖い顔に変わった。

「…西門さんに……」

そう言ったとたん、道明寺は眉間にシワを寄せて怒ったような顔で、あたしを腰から抱き上げた。
そして、ズンズンと部屋に入り、ベッドの上にあたしを座らせる。

「道明寺?」

「おまえ、さっきから総二郎が…って言うけど、あいつになんかされたか?」

「へ?」

「総二郎がおまえになんかしたのかよっ。」

玄関の明かりだけが差し込むベッドルーム。
その暗さだけでも分かる。
道明寺が怒ってる事。

「違うっ、ちがうよ。」

「ちゃんと話せ。」

「だから、違うって。
西門さんに、言われたの。」

「何、言われたんだよ。」

「……あんたに、ちゃんと好きだって伝えろって。
ちゃんと言葉と態度で伝えろって。」

「あ?」

突然の告白に拍子抜けしたようにベッドに座り込む道明寺に、西門さんと話した内容をポツリポツリと話し出すあたし。

全部話したあと、
「心臓が持たねぇ。」
と、道明寺が呟いた。

「え?」

「ったく、おまえは。
総二郎と二人で呑んで、寝落ち寸前まで呑みやがって、挙げ句の果にあいつの名前ばっか言うからよ、マジで…心配になるだろーが。」

今日は素直になって気持ちを伝えて、この人を喜ばせたいと思ったのに、結局はまた心配かけて不安にさせて。

いつもそんな風に、道明寺を満たせてあげれないあたし。

「道明寺…、」

「ん?」

「どうしたら、あたし、あんたを満たせる?」

「…牧野?」

「こんなに好きで堪んないのに、こんなに触れていたくて堪らないのに、いつもうまく言えなくて、だから、いつもあんたが心配し…」

そこまで言ったあたしに、道明寺が噛み付くようなキスをした。

さっきまでの優しいキスじゃなくて、激しくて余裕がなくて、それでいて
……やっぱり優しいキス。

そして、

「続きはあとでゆっくり聞いてやる。
だから、今は、……おまえが欲しい。」

西門さん。
やっぱりあたし、上手に伝えられなかった。
でも、それでも、8対2なんかじゃない。
それだけは言えるの。
だって、こんなにあたしの想いは溢れてるんだから。

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