「あたしも、ずっと好きだったよ。」
牧野から発せられた言葉。
俺と同じように、『ずっと』という所を強調してくれるこいつに、想いが溢れ出す。
牧野がくれた触れるだけのキスじゃ全然足りなくて、隣に座るこいつを引き寄せて、最初から激し目のキス。
抑えらんねぇから、仕方ねぇだろ。
何度も何度も角度を変えて味わう内に、緊張していた牧野の唇も柔らかくなり俺を受け入れてくれる。
このままさらにエスカレートしそうになったその時、
ドーンっと
窓の外から大きな音が響いた。
思わず、牧野が俺に抱きつく。
その細い身体を抱きしめたまま窓の外を見ると、
空に大きな花火の輪が広がっている。
「花火の音だ。」
牧野にそう言うと、
「びっくりした。」
と、俺から離れ外を見る。
20時が過ぎ、ここから30分間の花火が始まったのだ。
牧野も楽しみにしていたはずだが、まだ俺の唇にはさっきの余韻が残っていて終われない。
「牧野。」
「ん?」
「花火は、今度にしようぜ。」
「え?」
俺を見つめる牧野の身体を抱き寄せ持ち上げると、俺の太ももに跨がせるように座らせる。
「道明寺っ、」
焦るこいつの顔も俺的には大好物。
さっきよりも密着された身体と、キスがしやすくなった体勢。
逃がさないように背中に手を回し、もう一度唇を重ねる。
浴衣の裾から見える白い足。
背中に置いた手に感じるブラジャーの細い線。
今までパーティーでたくさんの女たちの際どいドレスを見てきたのに、こんな風に一度も欲情したことなんてなかった。
それなのに、今は全身で牧野を抱きたいと欲してる。
浴衣の大きく会いた袖から手を差し入れると、すぐに柔らかい素肌にたどり着く。
キスをしながら、ブラジャーの紐を肩からずらすと、牧野の身体が俺から逃げようと離れる。
逃がさねーよ。
そんな潤んだ目と色っぽい表情のおまえを逃してたまるか。
離れようとする身体を引き留め、無言で首を横に振ってやり逃げるなと伝えると、牧野が小さく頷いた。
ブラジャーの紐を完全に肩からおろし、露わになった胸の膨らみを揉む。
硬くなった乳首がコリッと指に当たり、そのまま摘んでやると、牧野から小さく吐息が漏れる。
それに煽られ我慢できず、牧野の浴衣の胸元を大きく開いてやると、ピンクのブラジャーに包まれた綺麗な胸が目の前に現れる。
さっき俺が揉んだから、片方はブラジャーからこぼれ落ち、それがまたエロくて堪らない。
躊躇なくその胸に顔を近づけようとした俺に、
「待って、道明寺。」
と、牧野からのお願い。
「待たねぇ。」
もちろん待ってやるつもりだけど、もう少しだけ苛めさせろ。
牧野の背中に手を回し、ブラジャーのホックを外す。
すると、解放された胸が溢れだす。
その胸を大事にすくいあげ、乳首を口に含むと、
「んっ…」
と、牧野が鳴く。
はだけた浴衣。
肩からぶら下がるブラジャー。
硬く張る乳首。
好きな女のこんな姿を見て、これでエロくならない男なんていねーだろ。
俺に跨っている牧野の太ももに手を這わせ浴衣をまさぐり、お目当ての箇所へたどり着く。
パンティーの上からでもわかる柔らかいそこに手を当てると、今度こそ牧野が身をよじる。
「道明寺っ」
ダメだとでも言いたいのか、首を横に振る牧野。
「ほんとにダメか?」
そう聞きながらも、俺の指はパンティーの上から秘部をなぞる。
「…ん…っ」
「もう少し、触るだけ。」
こういう時の男の台詞は信用出来ねぇのは分かってるが、まさか自分が使う日が来るとは。
触るだけ…と言いながら、パンティーの中に手を差し入れて直接牧野の中心に分け入ると、程よく湿っていて俺の指を飲み込んでいく。
中指の第一関節を埋め込んだ時、牧野から最後のお願い。
「道明寺っ、ここでは恥ずかしい。」
明るい室内で、大きな窓の側。
開放感がありすぎるここでは、さすがに最後までは無理だろう。
「向こうに行くか?」
布団が敷いてある部屋を見ながらそう聞くと、
コクンと素直に頷くこいつがめちゃくちゃ可愛くて、
入れかけていた中指をさらに奥まで挿し入れてゆっくりかき回してやる。
「やっ…ダメ…」
俺にしがみついてくる牧野を抱き上げて、そのまま部屋へ移動した。
………
道明寺に想いをぶつけようとは思っていたけれど、まさかこんな展開にまでなるとは思っていなかった。
いや、あたしだってもしかしたらキスくらいはするかも…なんて思っていたし、実際はあたしからしちゃったから言い訳は出来ないけれど、
道明寺に主導権を握られたキスは想像以上に激しくて、そして…気持ちよかった。
あたしが弱いこの人の熱っぽい視線に見つめられながら、どんどん浴衣の中へ侵入してくる道明寺の大きな手。
恥ずかしさは絶頂なのに、求めてくる道明寺の荒々しさにドキドキして逃げきれない。
これは経験値の違いだろうか。
昔、あたしの部屋で初めて道明寺と身体を合わせた日から、あたしの経験値は上がっていないのに対して、きっと道明寺はいくつものこういう場面を経験してきたはず。
それを証明するかのように、道明寺は自分の鞄に入っている小さなポーチからゴムを取り出し枕元に用意する。
そして、優しくて、余裕で、やらしくて。
あたしの中に指を沈めながら濃厚なキスを繰り返す。
窓の外では大輪の花火が打ち上げられている。
それを感じながら、あたしは道明寺に揺らされている。
セックスってこんなに気持ちいいものだった?
初めての時の痛みが混じったそれとは違い、今は身体の奥まで響く刺激に意識が遠のきそうになる。
それを感じたのか、道明寺の動きが止まる。
辛そうな表情の道明寺。
「…道明寺?」
「わりぃ。」
そう言った後、道明寺はそのまま何も言わずにあたしを抱きしめる。
「大丈夫?」
「ああ。」
そう答えた後、またゆっくりと腰を動かす。
そんな道明寺を心配そうに見つめると、道明寺は少し照れたように言う。
「すげぇ、気持ちくてイキそうになる。
けど、ゴム一枚しかねーから。
ゆっくりして、1秒でも長くおまえの中にいたい。」
そう言いながら、あたしの奥底まで道明寺が入り込んでくる。
その快感に、あたしの身体がまた甘く痺れる。
道明寺にすっかり翻弄されたまま、唯一のゴムを使い切ったあたしたち。
あたしの中から道明寺が硬いものを引き抜き、ティッシュで処理をしているのを感じながら、あたしはある事を思い出す。
「あっ、」
小さく発したその声に、道明寺が
「どうした?」
と言いながら、あたしの横に寝転がり、抱き寄せる。
「あたし、そういえば…、」
そこまで言ってなんとなく口籠るあたしに、
「ん?」
と、道明寺が聞く。
「あたし、…ピル飲んでるんだった。」
「ピル?…って、あの、婦人科系の?」
「うん。」
すると、かなり間が空いたあと、道明寺が怒ったように言った。
「ピルで妊娠を予防するような相手がいるのかよっ。」
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