ババァと別れたあと、牧野を最上階のプライベートルームへと連れて行った。
F4で集まるときに使うことはあっても、女をここに入れることはもちろん初めての事。
部屋に入るなり、牧野を壁に追い詰めて軽く唇を重ねると、抑えていたものが溢れ出す。
今日はゆっくり時間があるというのに、二人きりになると暴れだす感情。
「シャワーにする?それともベッドに行くか?」
牧野の耳元でそう囁くと、
「もちろん、シャワー。」
と、即答。
「おまえさー、そこはベッドって言えよ。」
「だって…慣れてないから…。」
積極的にきてくれるのはもちろん嬉しいけれど、俺は牧野のこういう所がたまらなく好きで、顔が緩む。
「分かった。
奥の部屋にもシャワールームがあるから、そこ使え。」
今日は、朝まで二人でゆっくり過ごせる。
牧野のペースに合わせてやるよ。
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バスローブ姿でソファに並んで座り、アルコール度の低いシャンパンを傾ける。
毛先がまだ乾ききっていない牧野は、化粧を落としいつもより幼く見える。
「こうやって見ると、大学の頃とおまえ変わってねーな。」
「そう?少しは女らしくなったでしょ。」
冗談っぽく言う牧野に、俺は真面目に答える。
「ああ。4年ぶりにおまえに会って、無茶苦茶ドキドキした。」
ほとんど化粧っけのない大学生の頃も良かったけれど、少しだけ大人っぽくなった今は、存在自体が俺を刺激する。
そんな熱っぽい視線に耐えられなくなったのか、牧野はソファに足を抱えるようにして座り直し俺に言った。
「でも、あのテレビ会見で言ってたでしょ。
あたしは頭が硬くて、勉強とバイトしか頭にないクソ真面目な女だって。」
「あー、あれな。」
「クソ真面目で面白味のない女で悪かったわねっ。」
拗ねたように口を尖らせるこいつが凶悪にかわいい。
「ああ。悪いと思うなら、もっとわがまま言って甘えて、俺のことを最優先に考えろよ。」
「へぇー、そういうのが道明寺のタイプな訳?」
「おまえとは正反対じゃん。」
「ひど……。」
だいぶ酔ってきたのか、頭をソファの背もたれにコロンと倒す牧野。
潤んだ目で俺を見つめるこいつの頭を優しく撫でながら言ってやる。
「こっちは4年以上片思いしてんだぞ。相当惚れてる証拠だろ。
タイプなんて関係ねえ、今のままのおまえでいい。」
すると、ニコッと笑ったこいつが、
「えへへへ〜。」
と、照れたように笑い出す。
「おまえさ、すげぇ酔ってんじゃねぇ?」
「ううん。」
「いや、もう飲むのやめとけ。」
「えーっ。」
えーっじゃねーよバカ。
バスローブから見える首元や膝下の白い肌。
まだ触れてもいねーのに、このまま寝かせてたまるかよ。
「グラスは没収。
続きは終わってから飲もうぜ。」
小さく
「終わってから…?」と聞き返す牧野の唇にキスをしながら、バスローブの中へ手を差し入れる。
下着はパンティーだけ。
それもあっという間に足から取り去ると、バスローブの中、白い裸体だけが浮かび上がる。
このままここで……そう思ったとき、
テーブルに置いてある俺の携帯が短く鳴った。
メール音で分かる。西田からだ。
「西田さんからでしょ?仕事かもしれないから見て。」
牧野がいうから渋々携帯に手を伸ばし確認した俺は、そのまま画面をこいつに見せる。
そこには、西田からのメッセージで、
「理事長の会見後、学園のホームページ上に理事長宛へメッセージが多数寄せられています。
本日、パンク状態で機能停止になりました。復旧は来週になるようです。」
とあり、生徒からのメッセージも添付されている。
それをスクロールしながら牧野と見ていくと、
「お幸せに〜。」
「早く結婚してください。」
「結婚式は学園内で。」
と、同じようなコメントが寄せられている。
それを見て、俺は牧野に言ってやる。
「これだけ生徒が期待してんだから、裏切るわけにいかねーな。」
「はぁ?」
「俺達が学園初の夫婦第一号になろうぜ。」

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コメント
理事長!お幸せに~!
いつも、いつもコメントありがとうございます!本当に嬉しく読ませて頂いています♡はなさんも私以上に司ラブなのがひしひしと伝わってきますよ〜笑
久しぶりにコメントさせて頂きます。
こちらのサイトに移転されてからも、度々更新されていないかと、毎日サイトに訪問させて頂いております。
管理人様のお話の司の台詞がツボなのが多すぎて、現在の最新話の「シークレット」の司もキュンキュンしています。
小話も大好きです♪
これからも楽しみにしています!
いつもご訪問くださりありがとうございます!司の言動にキュンキュン……書いてる私も一緒です。
これからもどうぞお付き合いくださいませー♡