シークレット 23

シークレット

食事も終わり、お姉さんが
「つくしちゃん、私の車で家まで送っていくわ。」
と言いながら立ち上がった。

「俺も車で来てるから、俺が送る。」

「司、ダメよ。誰かに見られたら……、」

時間もそれほど遅くはない。
電車で帰ろうと思えば帰れる。
けれど、あたしは、

お姉さんの言葉を遮るようにして、言っていた。

「お姉さんっ、……道明寺に送ってもらいます。」

驚いたようにあたしの顔を見る道明寺とお姉さん。

「道明寺、……いい?」

「ああ。」
即答してくれる道明寺。

そんなあたしたちを見て、
「そう?そうよね、そうしましょう。」
と、お姉さんがニコッと笑った。



家までの30分ほどの道のり。
道明寺が運転する車の助手席に乗るなんて、なんだかソワソワと落ち着かない。

すると、そんなあたしを見透かしたように、道明寺が片手を伸ばしあたしの頭を子供をあやす様に撫で始めた。

「な、なに?」

「いや、お利口さんだなと思ってよ。」

「ん?何がよ。」

「俺に送って貰いたいって言ったじゃんおまえ。」

「それは……、」

あたしだって、出来るだけ長く道明寺といたいと思っている。
だけど、なかなかそれを口に出して言えない性格なのだ。

だから、せめて態度で示したい。
あたしの頭を撫でていたその大きな手にそっと触れて、下へおろすと、そのままギュッと握った。

運転席と助手席の間で繋がれた手。
驚いたようにあたしを見つめたあと、
その手を道明寺が繋ぎ直し、絡まるあたしたちの指。

「おまえさー、」

「ん?」

「こっちは、必死で我慢してんのによ、」

「え?」

聞き返すあたしに、チラッと視線を送ったあと、道明寺はハンドルをきって路肩に車を止めた。

車通りの少ない2車線の道路。
街灯もほとんどなく、顔を照らすのは時折通る対向車のライトだけ。

道明寺が車を止めた瞬間から、分かってた。
キスされる……。

今までと違って、不意打ちでもなく、隠れてでもないキス。
だから、ちゃんと全身で受け止められた気がする。

「道明寺。
あたし、ちゃんと道明寺が好き。」

「プッ……なんだよ、ちゃんとって。」

キスの合間に交わされる会話。

「だから、それは、」

「それは?」

「道明寺が好きだって言ってくれるのと同じくらい、あたしも想ってる」

唇が触れるくらい至近距離だから、
目が合わせられないくらい近いから、
だからこんな風に正直に言える。

「このまま帰したくなくなるだろ。
明日、休みだし、二人でどこか行くか?」

「…へ?」

思いがけない言葉に、素っ頓狂な声が出るあたし。

「その反応、さすがに傷付くからやめろ。」

「だって!」

「キスの先を少しは考えろよ。」

もちろん、その先に何があるかなんて分かってる。
けど、こんな急にその時が来るとは予想もしていない。

そんなあたしの反応に、クスッと笑いながら道明寺が言った。

「心配すんな。
おまえと堂々と付き合えるようになるまで、待つつもりだから。」

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