シークレット 7

シークレット

周囲の目を気にして、おとなしくここまで付いてきた牧野は、
カフェテリアのF4専用エリアに入った途端、
「どういうつもりっ?」
と、俺を見上げて睨む。

「まぁ、とりあえず、そこに座れよ。」

「その前に、さっきの画像消して!」

「あ?画像?」

わざとらしくとぼけてやると、俺の手の中にある携帯を奪おうと近付いてくる。

俺が手を上げれば、頭1つ小せえこいつに届くわけがない。

ぴょんぴょんと飛び跳ねながら必死で奪おうとする姿がおかしくて、一生やっていられると思った矢先、バランスを崩した牧野が俺の胸に倒れかかってきた。

「おっ、」
「あっ、」

倒れてきたその小せぇ体をすっぽり支えると、戸惑うほどの距離の近さ。
心臓がこんなにうるさく鳴ったのは生まれて初めてだろう。

すると、その時、俺達の後ろから突然声がした。

「おいおいっ、校内で何イチャついてんだよ。」

振り向くとお祭りコンビがニヤニヤ顔で立っている。

「ち、ちげーよっ!」

「二人はいつの間にそういう仲になったんだ?」

「違いますっ!」
慌てて俺から離れた牧野が盛大に否定する。

「まぁ、まぁ、いいからゆっくりしていきなよ。俺たちも聞きたい事たくさんあるし、なぁ司?」

「…おう。」

あきらに促されて渋々ソファに座った牧野は、しばらくして運ばれてきたカフェラテに大興奮。

「美味しぃ〜。」

「でしょー。一応、特注で取り寄せたコーヒーメーカーを使ってるからね。」

「へぇー、そうなんですかー。あ、あのー、お二人は……、」

「あ、俺たち?
俺が美作あきら。そして、こっちが西門総二郎。今日はいねーけど、ここに花沢類がいつもいて、ガキの頃から4人でつるんでる仲。」

「なるほど、これが噂のF4、4人組ですね。」

「そうそう、聞いた事ある?」

「ええ、まぁ。
英徳ではかなり有名ですよね。
触れると怪我する人間凶器が率いるお坊っちゃま集団。」

「触れると怪我する人間凶器って、」

「あっ……」

思いっきり俺の方を見て固まる牧野。
そして、お祭りコンビのバカでかい笑い声が響く。

「司、おまえ人間凶器って言われてるらしいぞ。」

「うるせぇ。」

「他には?
司はどんなイメージ?」

「え…?」

戸惑う牧野に、
「いいから、言ってみろよ。」
と、言うと、少しニコッと笑いながら言い始める。

「ワガママでケンカっぱやくて、問答無用の金持ちパワーをフル発揮。ゲームセンターのパンチングマシーンを5台も壊しているし、得意技は関節技で何人も失神させている。肩が触れただけで半殺しになるから、近寄るなって。」

ここまで酷いとは思わなかったが、あながちこいつの言ってる事は間違いじゃねぇ。
ゲームセンターは中学の頃でもう出入り禁止になったし、今までに3人は失神させた記憶がある。

「すげーな、司。」
あきらも感心するしかねえ。

その時、さっきまで笑っていた総二郎が真面目な顔で言った。

「まぁ、間違ってはいねーよな全部。
けど、それだけだったら俺たち3人がリーダーとして司を認めてねーよ。
こいつは、まっすぐで情が熱くて、面倒見がいい。
それに、多分だけど、惚れた相手には一途ですげぇ優しい奴だと思うぞ。」

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コメント

  1. はな より:

    司くんの一番のカッコよさ、これですね!!
    カッコいい、惚れる!

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