VOICE〜ボイス 22

VOICE〜ボイス

『絶対来るな』
昨日、牧野にそう言われて、
絶対に行くことを決めた俺。

それをお祭りコンビに話すと、
ギャハハハハーと笑い転げる二人。
そして、「俺らも行かない方がいいと思うぞ。」
と言ってくる。

「どういう意味だよっ。
俺は行くって言ったら行くからな!」
そんな俺に、

「しょーがねーな。
俺らも付き合ってやる。
もしかしたら、面白いもんが見れるかもしれねーしな。」
と顔を見合わせて意味深に笑うこいつら。

牧野たちが集まっている店に遅れてやって来た俺らF4
「なんで俺もなの。」
と眠そうな類も連れて店に入ると、そこは威勢のいい店員が出迎える大衆居酒屋。

「い、い、いらっしゃいませー!」
「英徳大のサークルが来てるでしょ。」
総二郎のその質問に、
「お、奥の部屋です。」
と頬を赤くして答える店員。

奥の部屋に向かうと、座敷のふすまが半分開いていて、中の様子が伺える。
人数は20人くらいか。
女が若干多めだが、相変わらず牧野の隣にはあいつがいるのが目に入り、一気に苛立つ。

「まぁまぁ、司落ち着けって。
ここは俺らに任せろ。
牧野に来るなって言われたんだろ?それなのにそんな恐い顔で乗り込んだら、牧野ぶちキレるぞ。

確かにそうだ、そう思い黙って頷いた俺を見て、お祭りコンビが顔を見合わせたあと、襖を大きく開けて言った。

「おー、偶然だね~。
こんなところで英徳の顔ぶれを見るとは、なぁ、あきら。」
「マジ、すげー偶然。俺らもたまたまこの店に来たら、知った顔があって驚いたわ、なぁ、類。」
「そうだね、ほんと。」

最後の類は確実に棒読みで答えてやがるけど、一応協力してくれてるらしい。

俺らの突然の登場に、その場にいたサークルメンバーは一瞬静まりかえる。
そして、次の瞬間、
「ギャーウソーっ!」「F4よーっ。」
「西門さーん!」
「かっこいい!こんな近くでF4を拝めるなんてっ!」
「美作さん、ここに座ってください!」
「花沢さん、何飲みます?」

とあっという間にドンチャン騒ぎ。
これがお祭りコンビが言う『任せておけ』という意味なのかと頭を捻りたくもなるが、牧野にチラッと視線を送ると、じっと俺を睨んだあと、あからさまにため息をつきやがる。

「道明寺さんもこっちに座ってください。」
周囲からのその言葉も無視して迷わず牧野へと突進すると、
「あんたにしては遅かったじゃん。」
と意外な反応。

そして、
「どうなっても知らないからね。」
と呟いて、体を少し横に移動させ、俺を伊藤と牧野の間に座らせた。

牧野にすげー睨まれて、すげー嫌な顔をされると思ってた俺は、この意外な反応に嬉しくなったのも束の間、
「道明寺さーん、今日も一段とかっこいいですねぇー。」
と隣からの声。

ん?
誰だこいつ。

「間近で見るとほんと……タイプっす。」

ん?
今、なんて言った?

「…………牧野、こいつ酔ってるのか?」

「うん。かなりね。」

俺と牧野の視線の先には、デレッとした伊藤の顔。

「道明寺さん、なんの香水使ってるんですかぁー?すごくいい香りがします。」

「おいっ!」

俺の胸に顔を近付けてくる伊藤を寸でのところでかわして、

「牧野っ、こいつどーなってんだよ。」
そう叫ぶと、

「酔っぱらうと、素の伊藤くんが出るの。」
と牧野が言う。

「素の伊藤?」

「そう、彼ね、イケメン好きなの。
伊藤くんはね、女の子に興味ないのよ。
興味があるのは、イケメンの、しかもずば抜けたイケメンじゃなきゃダメみたい。
道明寺、おなかすいてないの?」
そう言って、俺の前に唐揚げを一つ置く牧野。

「…………マジかよ。」

いつものクールな印象の伊藤とはかけ離れた姿がここにある。
俺のことをうっとりと見つめる伊藤。

「道明寺さん…………。」

「…………。」

「道明寺さぁーん…………。」

「…………。」

「道明寺さぁーーーん。」
どんどん語尾がヤバくなってくる伊藤。

「牧野、こいつヤバくねーか……。席替われ。」

そう牧野に助けを求めた次の瞬間、
俺は顔に軽い衝撃を受けて……固まった。

「ギャハハハハー」
「ブホッ、アハハハっ」
「伊藤、マジかよっ!」
「いつものが出たなっ、まさか司も犠牲になるとは、ギャハハハーー」

俺は何が起こったのか分からなかった。
いや、分かりたくなかった。
伊藤から軽い衝撃を受けたあと、そのまま体を牧野の方にゆっくり反転させると、
牧野はすげー同情の目で俺を見て言った。

「どう?だから言ったでしょ?来るなって。
伊藤くん、酔うとキス魔になるの。
イケメン限定でね。」

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