VOICE〜ボイス 4

VOICE〜ボイス

「道明寺、元気だった?」

笑って言ったあたしのその言葉に、

「…………。」

何も言わずじっと見つめるだけの道明寺。

そのあと無言で歩き続けたあたしたちは、あと数百メートルで寮の門……というところで、

「牧野、もう少し歩こうぜ。」
と道明寺が言ってきた。

「今、何時?」

「9時46分。」
腕時計を見ながらそう言う道明寺に、

「無理。」
門限ギリギリだからと言おうとした、その時、

「つくしっ。」
と誰かに呼ばれる声がした。

その声の先に視線を送ると、門のところに伊藤くんの姿。
「伊藤くんっ。どうしたの?」

「電話、途中で切れたし、なんか様子おかしかったから……。」
いつも冷静沈着な彼が、そんなことで外にまで出て心配してくれたのかと思うと、思わずおかしくなって、

「ごめんごめん、何でもないの。」
と言うと、

「上巻。」
と真の目的をぶっきらぼうに言う。

そんな彼に笑いながら
「すぐに部屋に持ってくから。」
と言ったところで、
隣から物凄く不機嫌な声がして、すっかりその存在を忘れていたことに今更ながら気付く。

「牧野っ、こいつ誰だよっ。」

こういうところは、何年たっても変わってないらしい。

「同じ学部の……友達だけど?」

「牧野のこと呼び捨てにすんじゃねぇ。」

「うるさいよっ、道明寺。
あんたこそ、睨んでんじゃないわよっ。」

「あ?おまえ、相変わらずキョトキョトしやがって。
こんな遅い時間に男の部屋に行くって、おまえどうかしてんじゃねーの?」
その言い方に腹が立つ。

「門限まで時間があるから、どこにいこうがあたしの勝手でしょ!」

「ふざけんなっ。
おまえの行動はこれからは俺が見張ってるからなっ!」

このっ、クルクルパー!
久しぶりに会ったかと思えば、相変わらず俺様口調で、腹が立つ!
あんたに、あたしの行動をとやかく言われる筋合いはないっ!

そう思ったあたしは、最後の手段で
「あたしに関わらないでっ!」
そう叫んで、スッキリしたはずなのに、

そのあとのこいつの言葉に絶句した。

「彼氏が自分の女の行動に口出して、何がわりぃーんだよっ。」

「つくし、上巻、明日でいいわ。」

絶句して固まるあたしに、伊藤くんが何事もなかったかのようにそう言って寮へと消えていく。

残されたのは、放心状態のあたしと、

「門限破るには、ババァに言えばいいのか?」
と携帯を取り出して、どこかにかけようとしているアホな男。

昔から道明寺のことは理解できなかったけど、
ここまでだとは思わなかった。

隣で、携帯を耳にあてながら誰かと話しているその綺麗な横顔を見て、
「ありえないっつーの。」
とあたしは呟いた。

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